公益財団法人逗子市体育協会の会長を務める 東(ひがし)弘之(ひろゆき)さん 逗子市小坪在住 72歳
市民の声に寄り添って
○…創立64年の歴史を持つ逗子市体育協会。先ごろ前会長からバトンを引き継ぎ、競技連盟や地域の体育団体などのべ43団体が所属する協会のトップに就いた。「私なんか未熟者で」と開口一番謙遜するも、協会は一昨年に公益財団法人化、今年4月からは市立体育館など市内スポーツ施設の指定管理者となるなど発足以来の転換期。「特に指定管理は初年度。間違いや事故がないように細心の注意を払いたい」と襟を正す。
○…民間のノウハウを運営に活かすのが指定管理者の第一義。協会の運営に切り替わったことで新たなスポーツ大会や講座の開講などより独自色を打ち出すことが可能になった。具体案はこれからだが、足掛かりとして受付けの窓口対応をあげる。「市民と関わる最初の窓口。親切丁寧に笑顔で。まずはそこから変えないと」。行政の運営時よりも市民との距離がより近い。だからこそ市民の求めるサービスには的確に応えなければならないと心得る。現在利用者を対象に行っているアンケートもその一環。「住民の声を聞きながらニーズをつかんで、それを事業にいかしていきたい」
○…40年ほど前に地域で少年野球チームを立ち上げた。20年以上監督を務め、子どもたちには強さよりも競技を通じた礼節の大切さを説いた。「泣き虫だった子が今は立派な社会人。成長した姿を見られるのは嬉しい」と目を細める。技術の上達を目指すことだけがスポーツの意義にあらず。その考えは今にも生きる。逗子では年々高齢化が進む。「例えば自治会や地域を運営している人の大半は元気なお年寄り。スポーツの振興は今後のまちづくりに一層必要になる」
○…6年後にせまった東京五輪。逗子からの選手輩出には「そりゃ出てくれたら嬉しいよ」と声を弾ませる。レスリングでは市出身で世界を舞台に活躍する選手もいる。「五輪でまちが盛り上がったら」。そんな未来図にも期待している。
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