国民5人に1人が75歳以上となる超高齢化社会を見据え、全国的に地域の高齢者同士が支えあうシステムの構築が急務となっている。そうした中、一色滝の坂地区にある公営住宅の住民らが、地域コミュニティを再生させる取り組みに乗り出した。高齢者を中心に、住民自らが交流イベントを企画。将来的には常設の「居場所づくり」を目指すという。
イベントは、昨年10月に続いて2回目。竹トンボ作りや写真展示、マッサージ体験などプログラムは住民が自らの特技を生かして実施した。目的は、公営住宅に暮らす住民同士の「顔」を繋げることだ。
葉山町社会福祉協議会では昨年4月から、地域福祉のよろず相談を受け付ける「総合相談」を開始。担当者が寄せられた事案を持ち寄る中で、取り分け公営住宅で暮らす住民らが置かれた状況に特異性があることが浮き彫りになった。
同地区には町営と県営の2棟が隣接しており、約40世帯80人が暮らす。公営住宅には低所得者の住居を確保する「セーフティーネット」としての役割があり、生活保護受給世帯や母子家庭、障害を抱えた人など、他人に話しづらい事情を抱えた人は少なくない。そのため住民同士の関係性が薄れ、住民が孤立化する傾向にある。同社協でもより細かくニーズを聞き取ろうと調査を開始。だが、その矢先に痛ましい事故が起きた。町営住宅に暮らしていた単身の男性が自宅で亡くなっていることが判明。孤独死だった。町営住宅に住む古川大雪さん(75)は「気になっていながら、互いに踏み込めない空気があった。ここだけの問題ではなく、日本の縮図だと思う」と悔しさをにじませる。
こうした状況を防止しようと、同社協と住民らは協働で対策に着手。話し合いを進める中、住民自身が当事者として関わる交流イベントに行き着いた。特徴は、住民がゲストでありながらホスト役でもあること。長年板金業を営んでいた守屋浩二さん(83)は竹トンボを削りながら「顔だけでも知ってもらえればね。子どもたちとも触れ合うきっかけにしたい」と笑顔を見せる。
イベントは今秋にも企画が持ち上がっており、行く行くは空きスペースを利用した常設の場所を作る構想もある。同社協の山下淳さんは「いわゆる公助は制度下でないと支援ができず、住民の方が主体的に関わることに意義がある。役割を持つことでやりがいや自信も生まれ、お年寄りも元気になる」と話した。
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