葉山町発祥の家庭用生ごみ処理機「キエーロ」。十数年前、同町に住む松本信夫さんと恵里子さん夫妻が考案し、現在は生ごみ削減の切り札として全国の自治体でじわじわと普及が進んでいる。「バクテリアの力だけで生ごみが消える」--。その効果を検証すべく、記者が半年間に渡ってキエーロを使ってみた。
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記者が暮らすのは相模湾沿いにある某市。葉山町や逗子市のように助成制度が設けられておらず、昨年末、手に入れる方法はないかと日頃お世話になっている方に相談したところ「使っていないのがあるから、1台持っていきな」と快く譲ってくださった。
設置したのはベランダ型。段ボール2つ分ほどの木箱に購入した黒土を流し入れれば準備完了だ。さて、何を入れよう。実のところ、少々戸惑いもあった。「生ごみが本当に消えるのか」「虫や臭いが出るのでは」という疑念がなかったかと言えば嘘になる。取材で幾度もその効果を聞き及んでいたが、自分で生ごみを処理したことなど1度たりともなかったからだ。まずはその日の夕食で出た、野菜くずを入れてみることにした。
生ごみを分解するのは、元々土の中にいるバクテリア。太陽熱と通風がその力を活性化させる。電気や薬品を使うこともなく、ごみを入れればあとは微生物任せだ。
数日後、木箱をのぞいてみる。真冬のせいかリンゴや玉ねぎの皮が少々残っていたが、あとはきれいに土と同化していた。無論、虫や臭いもない。「果物や野菜の皮には抗菌作用があるから少し時間がかかる。コツは土を深く掘って、生ごみの3分の2程度の水を一緒に入れること」と前出の方が教えてくれた。なるほど実践してみると、その後の自家処理は一気に軌道に乗った。
1カ月ほど経って気付いた。それまでは毎週欠かさず燃やすごみを出していたが、量が半分以下になったのだ。一方のキエーロはかさが増えることもなく、生ごみを分解し続けてくれている。
恥ずかしながら記者自身、ごみ処理は税金を預かる行政が担うべきという先入観があった。だが生ごみに関して言えば十分個人の領域で賄える。「これが全国に広がったら」。そう考えるとキエーロの可能性を感じずにはいられなかった。
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