市民を交えて逗子の川や磯で水生生物の観察会を開いている「ずしし環境会議まちなみと緑の創造部会」(岡山和生部会長)がこのほど、14年間にわたる活動成果を冊子にまとめた。のべ32回の観察会に加え、研究機関の調査記録なども盛り込みながら田越川水系に生息する魚類計105種を報告。同部会では「生き物の多様性を知ってもらうとともに、市民が自然との共生を考えるきっかけになれば」と話している。
タイトルは「逗子の水辺の生きものたち(河川・磯の市民観察会報告書)」(A4判・40頁)。田越川の中流域と河口域、岩浜海岸(磯)の3つのエリアに分けて魚類を中心に写真や表を交えながら14年分のデータを集計し、1冊にまとめた。
観察会で確認した魚類は計61種。中には40年ぶりに見つかったという貴重な「ホトケドジョウ」や田越川では初めて発見されたとされるカジカの仲間「カマキリ」などもある。冊子を編集した礒貝高弘さん(78)と小林宏一郎さん(79)によると、田越川は河口が広く川底がなだらかなため、淡水魚だけでなく海水魚が多く生息するのが特徴。ただ多様性がある一方で外来魚も多く、生態系に深刻な影響を及ぼすとされるオオクチバスなども確認された。
水族館で水生生物の飼育に携わった経験のある礒貝さんは「外来種の増加が進めば、本来の生態系が様変わりしてしまう可能性もある。次代に豊かな自然環境をどう繋ぐか、市民が一緒に考えてほしい」と話している。150部刊行。冊子は図書館や同センターなど市内公共施設に配架する。
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同部会では2月18日(日)、講演会「調べて分かった!逗子の生きもの〜14年間の観察会で見えてきたこと」を市民交流センターで開く。講師は同部会の礒貝さん。午後1時から2時30分。参加無料。問合せは市環境都市課【電話】046・873・1111
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