逗子市新宿在住の水中写真家・長島敏春さんがこのほど、写真集『逗子サンゴものがたり』を出版する。普段なかなか目にすることのない身近な海の中の魅力を季節ごとに収めた作品で「多くの人、特に地元の子どもたちに見てほしい」と話している。
様々な種類のウミウシや鮮やかな色のサンゴ、そのまわりを悠々と泳ぐ魚たち―。写真集には、一見すると南国の海のような作品が収められている。いずれも、逗子海岸から約4・5キロの場所にある「オオタカ根」というポイントで撮られたもので、水深30m付近に広がる光景だ。
撮影したのは水中写真家で、日本で唯一サンゴをテーマに撮影を続けている長島さん=写真。
もともと映像関係の仕事をしていた長島さんは30年前から独学で水中写真を始め、国内のほか海外でも撮影をしていた。09年に独立し、国内外のサンゴだけでなく、西表島のマングローブの生態系を解説した図鑑を刊行するなど活躍している。
3年前に都内から移り住んで以来、2年間にわたってほぼ毎週潜っては撮影をしており、その数は2万カットにのぼるという。今回はそのなかから厳選した作品を掲載。季節ごとに分けて紹介することで、四季によって表情を変える海の中の様子を伝える内容に仕上げた。
身近な自然の美しさ写すトーク&サイン会も
国内外の海で撮影してきた長島さんによれば「オオタカ根」周辺には、硬い骨格ではなく軟質の組織で構成されたサンゴである「ソフトコーラル」が多数生息している。その種類や数は他の地域でも群を抜いているという。
このポイントは南北に100m、東西に80m広がる大きな岩礁で、黒潮の影響も受けるためプランクトンなどの栄養分が豊富で、多様な生態系を作っている。ただ、近隣には伊豆など有名なダイビングスポットが多いため、これまで一部のダイバーにしか知られていなかったという。長島さんは「地元の人にこの美しさを知ってもらい、自然を大切にしようと思うきっかけとなれば」と話している。
写真集『逗子サンゴものがたり』は、じゃこめてい出版から7月20日頃発売予定(税別2300円)。また、写真展が7月19日(木)から22日(日)まで、逗子文化プラザホール・ギャラリーで開催される。午前10時(初日は11時)から午後5時まで。最終日の午後1時からは「トーク&サイン会」も。詳細は【URL】http://www.sangokun.comへ。
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