貴重な自然を次世代へ伝えていこうと、2009年に設立された二子山山系自然保護協議会。その中に「マウンテンバイク(MTB)・プロジェクト」がある。このシリーズでは地元住民でも自然保護団体でもない、同プロジェクトのユニークな活動を紹介する。
「自分たちが楽しむためのフィールドは、楽しみながら自分たちで創り上げ、維持していく」をモットーに活動している「三浦半島マウンテンバイク(MTB)・プロジェクト」。代表を務める桐山大さん(鎌倉市在住)はもともとハイカーで、二子山山系のほか、各地の山に登っていたという。MTBを本格的に始めたのは約10年前。「目線が変わるだけで、同じ山でも見える景色ががらりと変わるんです」と、競技としてタイムを競うのではなく、自然を楽しむ一つの方法としての魅力を語る。
現在は任意団体
現在、同プロジェクトのメンバーは約30人で趣旨に賛同した町内外のMTB愛好家が参加している。会費は徴収せず、カンパや寄付をもとに、桐山さんを中心とした役員メンバーが活動を支えている。将来的にはNPO法人化の可能性も視野に入れているという。「それぞれ本業もあり大変なところもある。それでも山の整備とMTBの魅力を広く伝えるために、しっかりした組織の必要性を感じている」と桐山さんは語る。
楽しく継続
MTBプロジェクトのメンバーたちはそれぞれ、二子山山系自然保護協議会内のプロジェクトに参加している。その一つ、「上山口寺前谷戸復元プロジェクト」の代表で、協議会の副理事長も務める三井修さんは「それまでトレイル(山道)整備の担い手はなかなかいなかった。MTBの人たちは積極的に手を貸してくれる存在」と評価する。
また、桐山さんは二子山山系の通称「南尾根」に位置し、伊豆大島や丹沢山系、富士山を眺望できる「ソッカ山頂」を整備する「ソッカ山頂プロジェクト」でもリーダーを務めている。ここでは、土地所有者の西武鉄道株式会社と協働で、下草刈りやベンチ設置など、入山者に気持ちよく過ごしてもらうために汗を流している。
山の整備には多くの人手と継続的な活動が不可欠だが、人手は常に足りない状態。そんななか、「葉山の人たちが、自分たちをよそ者扱いせず、『まずはやってみれば』と受け入れてくれたことが大きかった」と振り返る桐山さん。無理せず楽しみながら、地域の自然環境を守る活動をこれからも続けていくつもりだ。
(完)
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