改元を控え「平成最後の」という枕詞が飛び交った2018年。逗子市では、財政対策による市民サービスの縮小が目に見える形で現れたが、花火大会を市民有志の実行委が開催するなど、市民力の高さを示した。一方、葉山町では大型の施設整備に向けた動きが進むほか、セーリングのイギリスチームが2020年まで毎年キャンプを行うことが決定。町職員が東京パラ五輪を目指すなど、東京五輪関連の話題も多かった。両市町の主だった話題を本紙面から振り返る。
逗子市
ストーカー殺人事件市に賠償命令
2012年に逗子市で起きたストーカー殺人事件で、被害者の三好梨絵さん=当時(33)=の住所を元交際相手の男側に漏らしたとして、夫(47)が市を相手取って1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1月、横浜地裁横須賀支部であった。前澤功裁判長は市の行為はプライバシーを侵害する違法なものだったと過失を認め、110万円の支払いを命じた。市は控訴しない意向を表明し判決が確定した。
神武寺トンネル通行再開
2016年から工事が行われていた神武寺トンネルの通行が2月、再開した=写真【1】。周辺住民のほか、池子小学校に通う生徒の通学路になっていたが、歩道が狭く整備を求める声が多数寄せられていた。歩道は0・6mから2mに、車道は1車線あたり2・4mから3・5mに拡幅した。工事費は8億8千万円。
補助カットの花火実行委で開催
市の財政難による補助金の廃止で開催が危ぶまれていた逗子海岸花火大会。例年通りの日程と規模で開催することを目指し、3月には市民有志や商店街関係者らからなる実行委員会が結成された=写真【2】。募金箱の設置やリストバンドの販売、ふるさと納税を使った寄付集め、有料席の販売など新たな試みも実施。当日は天候にも恵まれ、逗子の夜空に大輪が咲いた。
総合的病院誘致開設目標22年に
県の医療保険計画が発表され、今年度から6年間の基準病床数が示された。これによると市が沼間3丁目の候補地で進める総合病院誘致計画の選定法人「葵会」へ病床の追加配分はされなかった。これに伴い、市は説明会を開き、開設時期の目標を20年度から22年度に変更すると説明。「引き続き公募条件である200床以上の確保を目指し、市民が求める総合病院誘致を目指す」とした。
スペインチームマリーナでキャンプ
市はスペイン王立セーリング連盟、株式会社リビエラとの3者で東京五輪事前キャンプに関する協定を締結した=写真【3】。2020年まで、毎年夏にキャンプを行う。同チームへのサポート体制を整えるとともに、市民との交流イベントを開催することで、五輪機運醸成や国際交流につなげる。
アートフェス市民主導で開催
補助金カットで開催が危ぶまれていた逗子アートフェスティバルが、10月、市民主導で開催。前回まで同フェス運営に携わっていたメンバーを中心に、逗子アートネットワーク(ZAN)を結成し、クラウドファンディングや企業協賛を募り、資金を調達した。市内各所では展示やイベントが開催され、移住促進ツアーなど、協賛企業とコラボした企画なども行われた。
葉山町
クリーンセンター生ごみ資源化施設に
町は2010年から稼働を停止しているクリーンセンター(堀内=写真【4】)について、22年度までを目標に解体し、生ごみを資源化する新施設を再整備する方針を示した。費用は総額12億円程度と試算しており、うち2〜3億円は国からの交付金を見込む。
この新施設では、可燃ごみに分類される生ごみを焼却せず、微生物を利用して堆肥化。また、剪定枝などを一時保管するストックヤードも設ける。
給食センター計画凍結
町議会は第1回定例会で、2018年度当初予算案に盛り込まれていた給食センターの設計業務委託費を予備費に回す修正案を賛成多数で可決。建設計画が事実上凍結した。約19億円にのぼる総工費に対し、議員からは「整備費用が高額」「民有地を含め検討するべき」といった計画全体の再調査を求める声が出た。
町は15年、町立小・中学校一括で給食調理、配送を行うセンターの整備計画を発表。安全面や費用面での効率化を図る狙い。建設工事や厨房機器の購入設置などを合わせた総工費は約19憶円になる見込み。
英国チームが毎夏合宿
世界最強と称されるイギリスヨットチームが、2020年東京五輪まで毎年、葉山で合宿をすることが決定。4月には英王立ヨット協会と大同生命保険株式会社、町の3者が協定締結した。同チームは、毎年、同社セミナーハウスに滞在する。
8月には葉山マリーナでヨットフェスが行われ、同チームの選手も参加。町セーリング協会の選手や山梨崇仁町長らが出場するレースも実施した。約2400人が来場し、選手たちは、サインや写真撮影に応じるなど、交流を深めていた。。「近代ヨット発祥の地・葉山」を内外に発信する機会となった。
草津町との姉妹都市50周年祝う
群馬県草津町との姉妹都市締結50周年を記念し7月、記念式典を開催。黒岩信忠町長ら50人が町を訪れた=写真【5】。明治時代、ドイツ人医師のベルツ博士がそれぞれ保養地、温泉地として世界に紹介した。こうした歴史を踏まえ、1969年、姉妹都市に。両町の体育協会が中心となって、夏は葉山で水泳教室、冬は草津でスキー教室を行うなど交流を続けている。
アジアパラやり投げで4位に
葉山町職員の小曽根亮さん(横浜市在住・35)が10月、インドネシアで開催された「2018アジアパラ競技大会」に出場し、やり投げで4位に。惜しくも表彰台には届かなかったものの、同種目で自身が持つ日本記録を更新した。小曽根さんはやり投げ、円盤投げ、砲丸投げの投てき3種目の日本記録保持者。「これからもしっかりトレーニングを積んで、2020年の東京パラ五輪に出場したい」