テルミン・ミュージアムを開いた 大西 ようこさん 逗子市在住
不思議な楽器の表現者
○…国内外から収集した19台を展示する「テルミン・ミュージアム」を昨年、オープンした。今年から本格的に稼働を始め、ここで収録したコンサートの模様を収録しユーチューブで配信もしている。「触れずに奏でるちょっと不思議なこの楽器の魅力を、多くの人に伝えていきたい」と意気込みを語る。
○…逗子で生まれ育った。もともと、音楽をやっていたわけではなく、大学と大学院では物理学を専攻。その後、茶道裏千家準教授の資格を取得し、講師としても活躍した。テルミンと出会ったのは約20年前。カルチャー教室で興味を持ち、体験したことがきっかけだった。「意識が内に向く感覚がお茶と似ていて、すぐにハマってしまった」という。
○…これまで、国内外で演奏してきたほか、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「人魂」の効果音を収録するなど、映像作品にも参加。インスタレーションや踊り、ギターといった他の楽器とのコラボも行い、新たな表現方法を切り拓いている。昨年12月には、発明から100周年を記念し、発明者の家族らが企画したフェスティバルにオンラインで参加。世界中の愛好家の前で演奏を披露した。「日本だと効果音として広く知られているが、楽器としての音色や演奏する楽しさを知ってほしい」
○…「いつの間にかこんな数になってしまった」というテルミンは作られた年代や場所もバラバラ。「おそらく世界で唯一」と語る通り、オープンするなり愛好家たちの間で話題に。早速アメリカのラジオ局から取材が舞い込むなど反響を得ている。「いつか海外の方も訪れるようになったら」。テルミンとの不思議で豊かな旅は、時代と国境を越えてこれからも続いていく。
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