触れずに演奏する電子楽器「テルミン」。演奏家として活動するかたわら、国内外のテルミンを収集していた逗子市在住の大西ようこさんがこのほど、市内久木に「テルミン・ミュージアム」をオープンした。「博物館と名のついたものはおそらく世界でここだけ。この楽器の魅力を発信していきたい」と意気込んでいる。
テルミンは100年前、ロシアの物理学者テルミン博士が発明した世界最古の電子楽器。垂直と水平にのびたアンテナの間で手を動かし、左手で音量、右手で音域を操る。開発された当時はピアノやバイオリンなど、鍵盤や弦に触れて演奏することが当たり前だった時代。「革命的な楽器」として受け止められた一方、世界恐慌や冷戦の勃発によってそれほど広がらなかったこと、そして演奏の難しさから奏者が少ないのも特徴だ。しかし、大西さんによると、このユニークさから世界中にファンがいるという。シンセサイザーのルーツとしても知られている。
ミュージアムには、テルミン博士自身が設計し、一般に流通したモデルとしては最古の「RCAテルミン」を収蔵。1929年から30年にかけて500台製造され、現存するのは世界に132台、日本では2台しか確認されていない貴重なモデルだ。ほかにも日本やオーストラリア、アメリカなど世界各国で作られたモデルや、マトリョーシカ型の電池で動くものも展示。希望者は演奏体験もできる。
現在、毎月第4土曜日午後2時から「RCAテルミンの夕べ」と題しユーチューブ上でライブ配信を実施している。国内の著名な演奏者を招いたり、ギターと共演するなどしている。
ミュージアムの見学は事前予約制。問い合わせや申し込みは【URL】http://theremin.blue.coocan.jp/index.htmlまたは【携帯電話】090・8434・9482へ。
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