葉山町や旧家が所有する古文書を解読し、その内容をもとに当時の葉山の様子や住民の暮らしぶりなどをまとめている葉山郷土史研究会がこのほど、『郷土誌葉山』第15号を発行した。
2001年に発足した同会。地域に残された地方文書を探索・解読して定期的に発表しているほか、2015年には町からの委託を受けて『町制施行90周年記念葉山町の歴史とくらし』を製作。葉山の形成過程を伝える活動を行ってきた。
今回は寄贈を受けたアルバムから、戦後の葉山を盛り上げた森戸海岸の龍宮まつりの様子を取り上げた。1951(昭和26)年に第1回が開催されたもので、多くの人で賑わう浜辺や華やかなカーニバルの模様を写真とともに収録。当時の熱気を伝えている。
そのほかにも「幕末期葉山にも廻っていた浪士手配書」「葉山町の濁酒醸造」「木古庭不動尊盗難騒ぎ」「崖地・地名の風景」「葉山の山の話」を掲載。会員それぞれの興味関心を出発点とし一次史料を読み解いて、「埋もれていた歴史」に光を当てている。
足跡振り返り
また、同会発足20周年記念として、2015年にまちづくり展で展示した『葉山町の歴史とくらし』の概要をカラーで収録。初代会長の吉田耕一さんによる回想や郷土史家で発起人の1人でもある「黒田先生の思い出」、創立時の事務局長だった柳田純さんによる当時の振り返りなどを掲載している。これまで発行した郷土誌のタイトルと著者名、『古文書部会報告書』も紹介。会の足跡を一覧にした。
編集長を務める鈴木雅子さんによると、コロナ禍で毎月1回行う編集会議が行えず、今回は主にメールや手紙のやりとりで作業を進めたという。「いつも以上に大変だったが、20年の節目らしい内容になったと思う。多くの方に読んでいただきたい」と話している。
町立図書館2階の葉山まちづくり協会窓口や文教堂書店葉山店で販売中。1冊1千円。問い合わせはまちづくり協会【電話】046・876・0421へ。
逗子・葉山版のローカルニュース最新6件
|
アートで楽しむ「逗子かるた」12月27日 |
泉鏡花など逗子ゆかりの作品を市民が朗読12月27日 |
|
|
|