逗子市商工会(三宅譲会長)の1年あたりの会員増加数がコロナ禍以前の倍近くになっている。補助金申請等がきっかけとなっているが、状況が同じ県内でも珍しいという。きめ細かい相談体制や、市のサポート体制も奏功している。
コロナ禍前は、年間50〜60社が加入し、1150社程度で推移していた。業種別では飲食やサービス、理美容が多かったという。
しかし、2020年度は90社、21年度には1月末時点で86社でさらに増える見込みで、ほぼ倍増。1月25日時点の全体数は1203社となっている。経営指導課長の福島英明さんによると「コロナを機に移住してきた人が多く、全体の3分の1は女性。さらに、専門的サービス業の割合が増えた」と語る。
口コミをきっかけに、創業や事業計画策定、給付金・補助金支援で相談医訪れるケースが多いという。「在宅ワークのまま創業したり、ネットの小売りや、ネットサービスのサポートを個人でやっていたりと、スタッフを使わず、職住接近のケースが増えている。どこでも働ける環境がある人たちが逗子に来て商工会に来る流れ」と分析。「自宅の一室から、ネットを通じて巨大な市場でビジネスをやっている人もおり、驚くこともある」という。
現在、商工会の職員は7人。それぞれが専門知識と得意分野を生かして経営者をサポートしている。感染症対策のために原則リモートワークだが、オンラインツールを活用して以前よりも情報共有がスムーズになり、業務の改善に繋がっているという。「激変する環境に私たちも適合していかないと。経営相談に特化した体制ができたので、地域の事業者を幅広くサポートしていきたい」と話していた。
創業支援や企業誘致を掲げる逗子市もこうした動きに予算をつけて後押し。中小企業診断士を週の半分以上常駐させ、県の専門機関である「よろず支援拠点」のサテライト窓口を設置。週1回、相談できる体制を整えている。
三宅会長は「新たな事業者が増え、特に女性が活躍しているのは逗子ならではだと思う。積極的にサポートして活気ある街になるよう、経済面から後押ししていきたい」と話していた。
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