「葉山子どものための人材バンク」を立ち上げた 坂本 直子さん 葉山町在住 52歳
学校と地域を繋ぐ存在に
○…教育を取り巻く環境が大きく変わるなか、学校をより地域に開こうとする動きが進んでいる。そのひとつ、コミュニティ・スクールが来年度から町内すべての小中学校で始まる。受け皿となるネットワークを作ろうと、「葉山子どものための人材バンク」を立ち上げた。目指すは子ども中心のまちを支える縁の下の力持ちだ。
○…大阪生まれ。父の転勤を機に藤沢に住んだ。持ち前の思い切りの良さでメディアの世界に飛び込み、地元ケーブルテレビのキャスターやレポーター、鎌倉FMのパーソナリティなどを経て、J―WAVEでは朝の情報番組を担当した。「朝3時に局入りし、毎回ダメ出しをもらうハードな生活でした」と笑いながら振り返る。埼玉のラジオ局でも朝番組を担当。市場に勤務するリスナーから発泡スチロールいっぱいの鮮魚をもらったのは良い思い出だ。
○…妊娠を機に、かつて夫とよくドライブしていた葉山に居を構えた。縁もゆかりもない地。今ほど移住者も多くない時代で、すぐに「葉山ライフを満喫」というわけにはいかなかった。初めての出産・子育てでノイローゼを経験。「夜中に聞こえる波音さえも寂しくてしょうがなかった」という。転機となったのは町社協の子育て支援プログラムへの参加。「サポートする側」になったことで乗り越えた。
○…2020年から一色小のPTA会長を2年間務めた。コロナ禍の真っ只中だったが組織を見直す良い機会と捉えた。実情にあった運営に転換しつつ、構想を温めていたのが「人材バンク」だった。「手探り状態でやるべきことも多い。ただ、志を同じくする人が集まってくれて心強い」。子どもを中心に--。その一心で、周りを巻き込み進んでいく。