海藻類が著しく減少する「磯焼け」を止めようと藻場再生を手掛ける高幸建設(逗子市桜山/岡川直社長)がウニの畜養に取り組んでいる。身の詰まったウニを育て、販売網を確立し藻場再生の費用に充てていく考えだ。
同社が育てるウニは「はぐくむうに」と呼ばれるもの。岩手県洋野町で「うに牧場」を運営する北三陸ファクトリー専用の餌を使うことで、身がしっかり入ったウニが育つという。
水産庁によると藻場の衰退の要因はウニの食害が26%と最も高く、魚類の食害(21%)、海水温の上昇(21%)と続く。逗子の海も例外ではない。自然に生息するウニはいわゆる「身」となる生殖巣が少ないのが特徴。そのため商品価値がないとされる。
そこで同社ではこうしたウニを捕獲し、小坪マリーナの桟橋横で畜養を行っている。給餌を開始して4カ月(4月6日時点)で生殖巣指数(生殖巣の重さを全体の重さで割った指数)が、畜養前の平均2・7から畜養後は平均13・3まで上昇した。生殖巣指数が14〜15程度になると商品化可能とされる。今後、販路を開拓し、収益を藻場再生の資金に充てていく。音羽の森ホテルや日影茶屋が既に興味を示しているという。
若者とコラボ
4月25日には関係者を招いたウニの試食会を市内レストランで実施。
ウニ捕獲ロボットの開発や小学生向け体験イベントを企画しているIT企業勤務の武藤素輝さんらの取り組みも紹介された。
会に参加していた桐ケ谷覚逗子市長は「市とともに取り組んでいきたい」と期待を寄せた。
![]() 取り組みの説明をする岡川社長(左)
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