移動式本屋を始めた株式会社八鳥代表を務める 板橋 裕美さん 葉山町在住 36歳
思い立ったら全力投球
○…一日に一書だけを販売する移動式本屋の営業を5月に開始。「逗子・葉山の魅力はそこに住む人たちが作り出している」と言い、住民が選んだ「推し本」を売ることで、地域の魅力も発信したいと考える。「本を読むということは、考えたり感じたりする旅と同じような体験。本の販売を通してその体験を提供したい」と意気込む。
○…大学1年の時、世界を航海して回るピースボートに参加し、南米でアンデス地方の先住民族に伝わる「ハチドリのひとしずく」という話に出合った。森の火事を一滴ずつ運ぶしずくで消そうとするハチドリの意志の強さに憧れ、ことあるごとにこの話に励まされてきた。「出版など本にまつわる仕事をしているのは物語との出合いの恩返し」と感謝を口にする。
○…茨城県出身。起業や新規事業立ち上げの行動力は10代の頃から発揮。高校時代は学年で4人だけ参加できるイギリス研修、大学でも環境問題をドイツで学ぶプログラムに参加した。3年生の時には自転車にテントを積み、野宿をしながら鹿児島県まで、進学か就職かを考える旅を実行。帰路はヒッチハイクに挑戦したが、途中で若い女子の冒険を心配した老夫婦に「自分を大事にしなさい」と諭され、高速バス代まで出してもらった。「泊めてもらった翌朝のお味噌汁の味は胸にしみた」と懐かしむ。
○…大学進学で上京以来、10回以上引っ越しを経験。葉山には5年ほど前に友人に誘われて移住してきた。「山も海もあって、人もいい方たちばかり」とすっかりまちに魅了された。長く住むのは毎月座禅に通う寺の住職など、魅力的な人との出会いがあるから。今年になって町民農園を借りてトマトの栽培も始めた。充実した葉山ライフはこれからも続く。
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