逗子開成高校に通うウインドサーファー、中嶋颯(はやと)選手(17)が11月10日から14日の期間で開かれた「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」に挑んだ。出場選手の中で最年少。競技の扉を開いてくれた父親の基(もとき)選手と同時出場を果たしたことでも話題を集めた。
ウインドサーフィンのレースは「洋上のF1」と呼ばれ、W杯出場選手ともなれば海面を疾走するスピードは時速70Kmに達する。これを維持しながら複数のマークを回航してゴールをめざす。W杯は横須賀市が2017年に誘致し、新型コロナによる休止を挟んで今回5回目。颯選手は昨年に続き2回目の出場だった。
ウインドサーファーの両親の影響で週末の海通いが当たり前だった颯選手。小学3年生まではビーチを訪れてもゲームに熱中していたが、ある日、スタンドアップパドルに挑戦したのを機に海と一体となる感覚に心地よさを覚えるようになった。ウインドを競技として意識するようになったのは4年生の頃に参加したレース。「強風に翻弄されゴールできなかった苦い経験と同世代に圧倒的な走りを見せられたことで火が付いた」と本人。以降、父の指導でレベルアップを図っていた。10月にあったレースではアマチュア部門で優勝し、プロ混合戦も基選手の順位を上回る11位の
結果。W杯出場につながる会心の走りを見せた。
好調を維持して挑んだ今大会だったが、世界の壁の高さを痛感させられた。11日にあったレースでは中盤まで上位3位をキープしていたが、興奮と緊張からマーク回航で痛恨のミス。「経験値の少なさがもろに出た」と悔しがった。
「世界を意識しながら競技に打ち込める環境を整えていきたい」と抱負を話した颯選手。今は前しか見えない。
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