逗子市と葉山町はこのほど、2014年から行ってきた国指定史跡の長柄桜山古墳群第一号墳の整備が、3月中に終了すると発表した。4月20日(土)には現地でオープニングセレモニーも開催。以後自由に、古墳の上に登ることができるようになる。
長柄桜山古墳群は逗子市と葉山町の境界に位置する2基の前方後円墳で、第一号墳は1999年3月に故・東家洋之助さんによって発見された。いずれも古墳時代前期(4世紀後半)に造られたもので、第一号墳は全長91・3m、2号墳は88mあり、神奈川県内最大級の規模を誇る。
古墳は02年12月に国の史跡に指定された。土地の公有化や第一号墳の発掘調査、出土品整理作業などを経て、11年に整備基本計画が策定され、14年に整備工事が始まった。
墳丘や埴輪を保護するための盛り土は、土が流れないように樹脂を含んだハチの巣状の不織布を敷いた上に行い、一部にはコグマザサを植栽し保護をしている。また、見学に訪れる人を視野に入れ、階段の設置や園路の整備がされ、説明版・案内版も取り付けられた。
後円部分の頂上からは相模湾に浮かぶ江ノ島、天気の良い日には富士山を見ることもできる。
頂上には木の棺が埋まっている場所が色を変えて表示されている。その位置が円の中心からずれていることについて、長柄・桜山古墳をまもる会の浜野八十一会長は「古墳ができてから1600年の間に地滑りがあったのではないか」と推測する。同じく頂上には筒形の埴輪のレプリカも設置されている。棺の周りを囲むように並んでいたが、長い年月の間に壊れて下に転がったと考えられ、発見時には5個の埴輪の底の部分だけが残っていた。埴輪の現物は逗子市の池子遺跡群資料館と葉山町のしおさい博物館に保存されており、見ることができる。
墓の主が誰なのかは分かっていない。棺を開ければ埋葬品などの手がかりから分かる可能性もあるが、数少ない未盗掘の古墳ということで保存が優先されているという。
葉山町の担当者は「もとは古墳なのか山なのか分からない感じだったが、現地に行けば古墳だと分かるようになった。小中学校での地域の歴史の学習などに使ってもらえたら」と語った。
4月20日には逗子市と葉山町がオープニングセレモニーを開催し、正式に公開する予定。同27日(土)、28日(日)には守る会が古墳発見25周年を記念した見学会を実施する。
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