県政報告 能登半島地震を受けた、三浦半島地震対策の強化に向けて 神奈川県議会議員 近藤だいすけ
令和6年第一回定例会が終了しました。元日に大地震が発生した能登半島と三浦半島は3方が海であるなど、極めて酷似しています。加えて三浦半島にも活断層があります。発災時に被害を最小化し、復旧復興をいち早く実現するために、質問を行いましたので報告します。
要配慮者の避難対策の強化について
地震による地域の孤立やライフライン停止の影響を強く受けるのが高齢者や障害者などの要配慮者であり、厳しい避難生活が長期化することで災害関連死が増加することが懸念されます。能登半島と同様に3方を海に囲まれた三浦半島は活断層もあり三浦半島断層群の地震の発生も想定されます。人口の多い本県では被害の規模も能登半島地震の比ではなく、県の想定によれば三浦半島断層群の地震では、三浦半島地域だけをとっても避難者は10万人を超え、避難を要する要配慮者は1万人に達する想定になっています。避難所における生活環境の確保や福祉避難所の確保と円滑な運営、在宅避難への備えや支援策など要配慮者の避難対策の強化について充実強化を図ることが重要であるがどのように取組むのか、質問しました。
◆黒岩知事は「要配慮者はプライバシーやバリアフリーなどの生活環境に不安がある避難所をさけて、在宅での避難を選択することが多く、今回の震災を受けた緊急対策として在宅避難する要配慮者への非常用電源の備蓄を強化するほか、避難所の生活環境の改善などに取り組む市町村への補助の増額を行う。また市町村が行う個別避難計画の策定に対する支援の強化、避難所マニュアル策定指針の一層の充実、福祉避難所の円滑な運営に向けた新たな支援を行なっていく」と答弁しました。
緊急輸送道路の災害対応力の強化について
能登半島地震では幹線道路が土砂崩落で通行不能となるなど、被災地へのアクセスルートが限られ、緊急車両が渋滞に巻き込まれました。このことから緊急輸送ルートの被害を最小限に抑え、早急に復旧できるようにしておくことが重要だと再認識しました。橋梁対策や土砂崩落対策など、緊急輸送道路の災害への対応力強化は、県民の安全・安心に直結するので着実に進めるべきです。三浦半島は3方を海に囲まれるなど、能登半島と酷似しており、本県に地震が起こった際には、同程度の被害発生の可能性もあります。緊急輸送道路における災害対応力の強化について県の取り組みを質しました。
◆黒岩知事は「倒壊や局部的な損傷の恐れのある橋梁の耐震工事、道路斜面の崩落が想定される箇所の防災工事を実施し、約7割進捗している。能登では内陸部からのアクセス道路の寸断により、住民の避難や救助活動に遅れが生じ、孤立集落も発生した。本県でも三浦半島や県西部の山間部などで同様の事態が懸念されるため、アクセスルートが少ない地域の道路や緊急輸送の基軸となる高速道路につながる道路を洗い出し、その対策工事を優先的に実施していく」と答弁しました。
県営水道における災害対応力の強化について
能登半島地震では水道施設にも甚大な被害が生じました。断水の長期化は飲料水や生活用水だけでなく、避難所における感染症の流行など公衆衛生の悪化にも影響があり、水道の重要性が改めて浮き彫りになりました。国も大規模災害に備え、水道事業者に水道施設の強靭化の取り組みを求めています。こうした中、企業庁が県内の水道5事業者による「水道システムの再構築」の中で取り組む、事故や災害時のバックアップ機能の向上は災害に強い水道のネットワークを実現するために非常に有効だと考えています。企業庁長に県営水道における災害対応力の強化の進め方について問いました。
◆企業庁長は「県営水道では浄水場や配水池の耐震補強に加え、ポンプ場の停電に備えて電源車や非常用発電施設を導入するなど自然災害への対策を進めてきた。また水道5事業者による水道システムの再構築を進める中で、事業者の枠を超え、それぞれの浄水場から互いの水道水を融通しあえるようバックアップ機能の向上を図っている。これにより、将来的には浄水場の1つが停止しても9割以上のエリアで他の浄水場から水道水を供給できるようになる」と答弁しました。
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