文学に関心のある市民らで作る「逗子の文学を学び広める会」が、「逗子ゆかりの文学年表」を制作中だ。きょう26日から29日(月)まで、市民交流センターで開催している市制70周年市民企画展示「あなたと私の逗子の文学〜一緒につくりませんか文学年表〜」では、市民からの情報提供やアンケートの協力を呼び掛ける。
同会は約10人のメンバーで一昨年秋から、逗子に関する近現代文学の調査と年表づくりを進めており、作品や作家にまつわる出来事など、約1100項目をデータ化してきた。
今回の展示では交流センター1階展示場で編集中の年表を大型モニターで公開。また、市内の文学碑、文学散歩道、市立図書館所蔵の逗子にゆかりのある文学本の紹介などを行う。同会の取り組みを多くの人に知ってもらうとともに、情報提供を受けたりアンケートを実施したりすることで、年表をより精度の高いものにしようという狙いもある。関連企画として市立図書館では5月13日(月)まで、一般展示「逗子にゆかりのある文化人と作品」を開催している。
同会によると、掲載項目が最も多いのは泉鏡花で逗子ゆかりの作品は50点にのぼる。次いで女性初の芥川賞作家である中里恒子が35作品と続く。
また、逗子ゆかりの作家や、逗子が作品の舞台の芥川賞・直木賞は各7作品ある。1955年(第34回下期)に『太陽の季節』で芥川賞を受賞した石原慎太郎は当時、最年少受賞だった。
逗子文学が豊富なことについて同会は、1889年に横須賀線の開通により別荘地として開けたこと、1900年に出版された徳冨蘆花の『不如帰』が全国的な話題作品になったこと、結核などの病気療養、保養地として知られるようになったこと、海と緑があるコンパクトなまちであることなどが要因だと分析する。
同会代表の東海邦彦さん(80)は年表づくりについて、「新しい発見が度々あって楽しい」と熱弁。「蘆花はトルストイの研究家でもあって、06年にロシアを訪問して本人に会っていたんですよ。これは知らなかった」と例を挙げた。
年表は新しい情報が入ると更新するため、「完成」することはないが、ある程度めどが立った段階で市のウェブサイトに「逗子ゆかりの文学」というページが作られる予定だという。
問い合わせや情報提供などは同会【メール】zushibungaku@gmail.com
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