逗子市と葉山町にまたがる史跡長柄桜山古墳群第一号墳の整備完了に伴うオープニングセレモニーが4月20日、現地で行われた。桐ケ谷覚逗子市長、山梨崇仁葉山町長をはじめ、両市町ゆかりの議員や市町民など約180人が参加し、1600年の時を超えた古墳の公開を祝った。
あいさつに立った桐ケ谷市長は「25年前に発見され、工事には10年かかった。古墳を守り景色を楽しんでもらえる環境が整った。かつて、この地を選んだ先人と同じ場所で歴史を感じられることに感銘を受けている。みなさんもこの素晴らしい施設を誇りにしてほしい」と語った。
山梨町長は「山の上にどのような技術で、どれだけ力のある人が、古墳を造ったのか、古代へのロマンを感じる。逗子葉山を見下ろす素晴らしい景観のなかで人が安らぐ場所として、多くの人が歴史を感じ、これからの人生を考える機会になればうれしい。大事に守り将来に受け継いでいきましょう」と述べた。
式典の後、参加者は古墳に登り、古墳の成り立ち、特徴、今も地中に眠っている棺、周囲に埋められていた埴輪などについての担当職員の解説に耳を傾けた。
葉山在住で古墳が好きだという吉井ともこさん(58)は「ずっと工事をしていて入れなかったので待ち遠しかった。この地に人の営みがあったと感じられるのがいい」と古墳の魅力を語った。
近所に住み、よく遊びに来ているという大野和来(わく)さん(小2)は「工事が終わって自然がもっと味わえるようになった」と完成を喜んだ。
発見25周年
同古墳群は1999年に故・東家洋之助さんに発見されてから25年がたつ。県内最大級の2基の前方後円墳で、第1号墳の全長は91・3メートル、第2号墳は88メートル。
2002年に国の史跡に指定され、14年から整備工事が始まった。自然環境との調和を図りながら、古墳の崩壊を防ぐたに盛り土を行い、ササを植えて保護。来場者に分かりやすいように、棺の埋設場所表示、埴輪レプリカ、説明版などを設置した。頂上からは相模湾、江の島、富士山を望むことができる。
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