鎌倉市の建長寺の境内に4月21日、仏殿のブロンズ模型が設置された。制作したのは、透明点字シート付絵本などを手がけるユニリーフ(葉山町一色)の大下利栄子代表(64)。目が見えない人でも、建物の形を手で触って感じられる模型で、大下さんは「ともに生きる社会の具体的な一歩へ」と願った。
大下さんが制作したのは、国の重要文化財の建長寺仏殿を、50分の1スケールで表現した「さわる模型」。目の見えない人は「建物の形が分かる喜び」、目が見える人は「鳥瞰図のような新しい視点」を体感できる。
制作のきっかけは、10年ほど前。視覚障害のある娘の歩さん(27)と旅行した際、娘が建物や景色を感じられず、感動を共有できない寂しさを感じた。そんな時、ポルトガル旅行で目を惹かれたのが世界遺産「ベレンの塔」の前に置かれた触れるブロンズ模型。「これなら一緒に触れて思い出を共有できる」と確信すると同時に「日本にも同様のものを」と強く思った。コロナ禍でさまざまな活動が制約されてできた時間を利用して「夢」の実現に動き出した。
制作への思いを強めた大下さんに、鎌倉市や鎌倉市観光協会、鎌倉市社会福祉協議会、建長寺が賛同。10年越しで模型が完成した。
406人の支援
制作には多額の費用がかかるため、大下さんは昨年6月、クラウドファンディングで支援を呼びかけた。その結果、406人から目標の500万円を超える654万円が集まり、制作の後押しになった。
4月21日に建長寺で実施された披露式で、大下さんは「夢に描いていた以上の模型が完成した。たくさんの支援に何度もうれし泣きをし、一人一人との縁とストーリーは忘れない」と涙ながらに喜びを伝えた。
最初に模型に手を触れた歩さんは、「細かい細工が施されているのが分かる。建長寺に模型がある情報を知ってもらえれば、目が見えない人でも旅行が楽しくなる」と話し、さわる模型に共生社会実現に向けての期待も寄せた。
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