沖縄戦描いた『白旗の少女』
逗子市内で朗読公演を通して平和の大切さを訴える活動をする、朗読の会「ふうりん」(田中智子代表)が8月19日、ずし平和デーの企画の一環で夏休み朗読公演を逗子文化プラザさざなみホールで開催した=写真。約130人の客で会場は埋め尽くされた。
演目は『はれときどきぶた』(矢玉四郎作/田中智子脚本)と『白旗の少女』(比嘉富子作/田中智子脚本)の2本。
『白旗の少女』は太平洋戦争の沖縄戦終盤に米軍が撮影した写真によって、人生が大きく変わった比嘉さんの物語。
当時6歳だった比嘉さんは、激しくなる戦火から逃れるため、きょうだいたちと首里から南へと逃げるなかで、兄が流れ弾に当たって亡くなり、さらに姉たちともはぐれ、ひとりさ迷う。生きる気力を失いかけた時、あるガマ(自然洞窟)の中にいた両手両足のない老爺と、目の見えない老婆の夫婦と出会い、一緒に暮らすようになる。比嘉さんに対し老爺は「この世で一番大切なのは命だ」と語る。1945年6月25日、米軍が投降を呼びかけた時、老夫婦はふんどしで作った白旗を比嘉さんに持たせた。比嘉さんが白旗を高く掲げて歩いていると、アメリカ兵がカメラを向けシャッターを切った―。
壇上に上がった会員7人は、場面場面で主人公の比嘉さんの幼少期、姉、老爺、老婆になり切り、感情を込めて朗読を行った。
朗読を聞いた60代女性は「写真のことは知っていた。朗読が上手で、その場にいるような気持になった。悲惨なことを忘れてはいけないと改めて思った」と語った。
代表の田中さんは「日本は平和のことを訴える力がある国だと思う。戦争をすれば人が死ぬ。人を殺さないためにも話し合いで解決できないか」と力説した。
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