神奈川県私立幼稚園連合会が8月28日、逗子文化プラザなぎさホールで「県私立幼稚園教育研究三浦半島大会」を開催し、逗葉協会、横須賀協会、鎌倉協会に加盟する幼稚園の教諭ら約250人が参加した。
聖和学院幼稚園(逗子市久木)の園長で、逗葉私立幼稚園協会会長でもある、武藤薫子大会実行委員長は開会式のあいさつで「今日の講演や研究発表を皆さんの日頃の幼児教育の参考にしてほしい」と述べた。
記念講演では全日本私立幼稚園幼児教育研究機構の安家(あけ)周一理事長が「日本の学校教育」と「予測困難な時代の中での幼児教育」について語った。
まず、幼児教育と小学校以降の教育の大きな違いとして、教科書の有無を挙げた。「遊び」を中心とした幼児教育の中では「遊ぶこと」自体が目的であるのに対し、学校の学習は小学校教育から中学教育への準備であり、中学以降は偏差値によって高校が決まり、その後どういう仕事に就けるかにもかかわる。このように学習が次のステップへの手段となっているのが日本の教育の現状だと解説した。その結果、30万人を超える小中学校の生徒が不登校になっているとも指摘した。
そして、「遊びは子どもに自分たちの問題を解決させ、他者と同じレベルでつながる方法を教えるための自然な方法で、この大切なスキルを学べる遊び以上の方法はない」と強調。また「五感の中では味覚、嗅覚、触覚が大切で、幼少期はこれらを大切にする遊びを徹底的に園で行うことが大切だ」と話した。
会場の参加者は熱心に講演に耳を傾けていた。
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