神武寺(逗子市沼間)が所蔵する『木造十一面観音菩薩坐像』が10月23日、逗子市重要文化財に指定された。開創1300年を迎えた同寺は11月18日(月)〜24日(日)、記念大開帳を実施。同観音像も特別公開される。
観音像は高さ54・5センチメートル、材質はヒノキで鎌倉時代(14世紀前半)に作られたとみられる。バランスの取れた姿形、張りのある秀麗な面立ち、切れの良い衣の削り出しなど、その作風は運慶の流れを汲む慶派仏師の伝統を備えた正統的な秀作と判断され、文化的価値が極めて高いと評価された。
元は鎌倉荏柄天神社(えがらてんじんじゃ)に置かれていたもので、明治初年の神仏分離の際、同寺に遷されたという。通常は非公開で拝観できない。
土屋慈恭(じきょう)住職は「寺離れが言われる中、観音像が重要文化財に指定されたことで、少しでも寺に興味を持つ人がいてくれたらありがたい」と文化財指定を歓迎した。
開創1300年
同寺は724年、当時の聖武天皇の命を受けて、行基が開創したと伝えられる。今年は開創1300年にあたり、11月18日から24日には記念大開帳が行われる。
本尊の薬師如来は33年に一度開帳されるもので、本来であれば次回は2050年だが、今回は期間中に特別開帳される。十一面観音菩薩像も重要文化財新規指定記念として特別参拝できる。
24日は午後1時から特別法要として、稚児行列や天台声明(仏教音楽)、抹茶による接待などが行われる。
期間中の拝観時間は午前9時から午後4時。特別拝観料500円。駐車場の利用はできないので注意。
問い合わせは神武寺【電話】046・871・4565。
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