2025逗子旅カレンダーの富士山の写真を撮影した 礒貝 高弘さん 逗子市新宿在住 84歳
被写体と会話を楽しむ
○…「富士山の前に江の島があり、相模湾越しに見えるこの素晴らしい風景を逗子に住んでいるみなさんにに知ってほしい」。富士山の写真を撮り始めて12年。「逗子の自然を後世に残すこと」が大きなテーマで、富士山はそのモチーフのひとつ。これまで撮ってきた写真が、「2025逗子旅カレンダー」として一つの作品になった。
○…写真を撮り始めたきっかけは生き物だった。子どもの頃に浪子不動で魚を捕って遊ぶ中で、「どうしてこんなに種類があるんだろう」と興味を持った。逗子開成中高時代は生物部に入り、日本大学の水産学科に進学。20歳ごろ論文で動物の写真を撮るために、顕微鏡写真やクローズアップ写真、昆虫写真などの権威に師事した。技術も教わったが、師匠の教えで今も大事にしているのは被写体と会話をすること。「相手から答えが返ってきたときがシャッターチャンス。それは生物でも風景でも同じ」との言葉に職人気質を感じる。
○…現役時代は油壷マリンパークの職員。開業前から携わり、飼育員や営業も経験。勤めながらカメラは続け、来場者へのサービスで生物写真の撮影教室などを開いたことも。新聞社やカメラメーカーのコンテストでは何度も受賞経験を持つが「昔のこと。今更恥ずかしいよ」と謙遜する。
○…70年以上住む逗子の魅力を「駅に降りた時の空気のおいしさ」と語る。しかし、写真を撮り続ける中でいろいろなことが分かってきた。田越川に来る鳥の数が少なくなった。それは餌になる魚が減っているから。そんなことからも自然の変化が見て取れる。「ひ孫世代には逗子の自然がどうなっているのか。記録を残すことは逗子への恩返し」。だから今日も自然の風景を撮り続ける。
|
|
|
|
|
|