2024年度「神奈川の名工」(卓越技能者)に選ばれた 平野 佳一さん 逗子市久木在住 64歳
客の笑顔のために腕磨く
○…「表彰されたことは仕事への励みになるし、厳しく指導してくれた親方への恩返しにもなる」と控えめに喜ぶ。先月、神奈川県知事から表具師としての優れた技術が認められ「卓越技能者」の表彰を受け、「神奈川の名工」の仲間入りを果たした。
○…小学校の卒業文集に「父の跡を継いで表具師になる」と書いた。祖父の代から3代目。高校卒業後、父に弟子入り。師として非常に厳しい人だった。「現代の名工」に選ばれ、黄綬保障も受けた雲の上の存在。「反発心もあって仕事でぶつかったこともあったけど、一生追い越せないと思っていた。でももっといろいろ教わっておけば良かったな」と亡き父を思いポツリ。自分では弟子をとっていないが、受け継いだ技術を後世に残そうと、月2回、横浜で後進指導にもあたる。
○…生まれも育ちも逗子。青年会議所や商工会青年部など、地元での活動にも取り組んできた。なかでも今年引退した消防団は42年間、2014年から10年間は団長も務めた。火事での出動は10回以上を数え、20年に起きた池子の土砂崩れの現場は目に焼き付いてる。「今でもサイレンが聞こえると気になるよ」と正義感の血が騒ぐ。
○…さまざまな仕事に携わってきた。東京駅の皇室専用貴賓室の屏風の修理、ローマ教皇が来日した時に贈った天草四郎を題材にした屏風など大掛かりなものから、一般家庭の襖まで。どんな仕事も分け隔てなく「お客さんに笑顔で喜んでもらえる」ことだけを考えて取り組んできた。この20年余りの間に住宅事情が変わって障子、襖、掛軸などの需要が減り、業界的には厳しい状況が続く。そうしたなかでも父から学んだ「長持ちする丁寧な仕事」に磨きをかけていく。
鎌倉市交通安全対策協議会初詣に合わせて鎌倉駅周辺の交通規制を行います。鎌倉への初詣は電車・バスをご利用ください。 https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koutsuu_anzen/nennmatsu.html |
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