劇場用映画の優れた新人撮影監督に贈られる「三浦賞」を受賞した 北川 喜雄さん 葉山町堀内在住 42歳
挑戦続けるカメラマン
○...世界三大映画祭のひとつベネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲得した『悪は存在しない』(2023年/濱口竜介監督)の冒頭シーンが、名だたるカメラマンから「トップカットにつきる」と評価され、今年1月に授賞式が行われた三浦賞の受賞につながった。「自分のやってきたことが認識され、うれしいというかありがたい」と笑顔を見せる。
○...青春時代を岡山県で過ごした。中学生の時、「好きな芸能人に会いたい」一心で役者になりたかった。高校時代にはオーディションを受け教育映画に出演。その現場で撮影の面白さにはまった。大阪芸大、東京芸大大学院で映画を学び、卒業後は商業映画のアシスタントを務める傍ら、自主映画でカメラマンとしてのキャリアを積んだ。
○...濱口監督とタッグを組んだ『ハッピーアワー』(15年)が国際的な評価を受けたことで、海外での仕事に興味を持ち、英語の勉強をしようと約2年間、アメリカ、カナダ、イギリスと渡り歩いた。帰国後、結婚を機に葉山へ移住した。一色海岸がお気に入り。葉山の自然を生かした映画をいつか撮りたいと思う。
○...撮影の師匠の「ねばならないを捨てよ」という言葉が、常に新しいチャレンジをさせてくれる。カメラ一筋でやってきたが、若い監督と組んでプロデューサー的な仕事も増えてきた。多くの情報が入る時代において、見た人の視点が変わるような「踊らされてるかもしれない、一歩引いて、もっと自由に物事考えて」といったメッセージを込めた作品を届けたい。
|
|
|
|
|
|