本紙「砂浜で生まれたものがたり」を詩人の中原かおりさんと連載している角田元さん(67・堀内在住)がこのほど、自身初の著作となる「かいのどうぶつえん」を上梓した。貝殻だけで仕立てた愛らしい作品のほか、その作り方を一から紹介する「ハウツー本」仕立てなのが特徴で、角田さんは「誰でも始められる貝殻アート。ぜひ自作に挑戦して」と話している。
同書は全5章編成。第1、4章では角田さんがこれまで手掛けてきた「かいのどうぶつ」たちが紙面を飾る。愛嬌たっぷりの表情を浮かべるコアラやカンガルー、キリンにゾウの親子。「割らない・塗らない・削らない」をモットーに、天然の貝殻の組み合わせだけで作った作品はいずれも表情豊かで、目にした人の頬がゆるむものばかりだ。
第2章では作品に使用する「貝の集め方」を紹介。自身も作品づくりに使うのは一色海岸など地元の海で手に入る「打ち上げ貝」が多く、岩礁・砂浜・干潟・漁港など、場所ごとに採取できる貝殻を紹介しているほか、全国の「貝のひろえる海岸マップ」も添えた。
また第3章は基礎編、第5章は応用編として、具体的な作り方を披露。ピンセットやボンドなど必要な道具、固定・補強などの基礎手順から、動物ごとの制作過程まで、完成までの工程を写真と文章で詳しく解説している。
「楽しさ伝えたい」
出版のきっかけは自身が作品づくりで得てきた楽しさを「ほかの人にも味わってほしい」との思いから。「貝の動物づくりの最大の魅力は誰でも簡単にできること。逗子や葉山なら砂浜に行けばいくらでも素材は手に入るし、特殊な技術も必要ないですから」と角田さん。
貝殻アートを始めたきっかけは15年ほど前。近所の砂浜を散歩中に足元の貝殻に目を留めたのが始まりだ。多彩な形や美しさ。拾い集めるのも楽しければ、組み合わせ次第で様々な表情や動きを引き出すことができる動物づくりの奥深さにも魅せられた。自身も初めは試行錯誤を重ねたが、次第に自信作もできるように。7年前から自宅の玄関先にショーケースを作り、毎週欠かさず新作を発表し続けている。近所ではちょっとした名物で、「毎週楽しみにしてくれる人がいるのでやめられない。いつも締め切りに追われている感じですけどね」と笑みをこぼす。現在481回を数え、年内にも500回に到達する見込みだ。角田さんは「作って人に見てもらう喜びもひとしお。ぜひ多くの人にやってみてほしい」と話した。
グラフィック社発行。A4変形判。1300円(税別)。文教堂書店葉山店(一色)、ブックス二宮逗子店(逗子)、いけだ書店新逗子店(同)で取り扱っている。
同書「かいのどうぶつえん―割らない、塗らない、削らない。天然貝でつくる動物たち」を本紙読者3名様にプレゼント。希望する人はハガキに氏名、住所、年齢、連絡先、本紙感想を添えて、〒238―0032横須賀市平作1の12の8 タウンニュース社逗子葉山編集室「かいのどうぶつえん」係へ。7月6日(月)〆切(当日消印有効)。
※当選は発送をもって。ハガキは事後裁断処理致します。
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