貴重な自然を次世代へ伝えていこうと、2009年に設立された二子山山系自然保護協議会。その中に「マウンテンバイク(MTB)・プロジェクト」がある。このシリーズでは地元住民でも自然保護団体でもない、同プロジェクトのユニークな活動を紹介する。
先月22日、葉山町上山口の寺前谷戸入口サクラ広場で、二子山山系自然保護協議会の「寺前谷戸復元プロジェクト」が定例作業を行った。同プロジェクトのメンバーや親子連れ約20人のほか、自転車用のヘルメットを被り、揃いのTシャツを着た「三浦半島マウンテンバイク(MTB) ・プロジェクト」(桐山大代表)のメンバー6人も参加。当日は畦道の雑草を刈ったり、竹を切り出したりして、午前中いっぱい汗を流した。
「自然がフィールド」
マウンテンバイクは1970年代、アメリカで誕生したとされている。山を自転車で登り、走り抜ける楽しさは当時の若者たちを熱狂させ、たちまち一大スポーツに発展した。日本でも各地で大会が開かれているなど根強い人気を誇る。インターネットで本場アメリカからパーツを取り寄せ、こだわりの「相棒」を作り上げる人も多い。
MTBを楽しむには、大きく分けて整備されたMTB専用のコースを走るか、一般の山道(トレイル)を走る方法がある。問題となるのは後者。山道ではハイキングを楽しむ人など他の利用者もいるため、地域住民や地権者、散策する人たちなどとトラブルになることもあるという。
そのためかつては表立った活動はせず、小さなコミュニティの中で情報交換をしながら楽しむ愛好者が多かった。
「何かできる事を」
転機となったのはマウンテンバイカー同士での「自分たちが普段から楽しんでいるフィールドを利用するだけでなく、何か貢献できることはないか」という雑談だったと桐山さんは振り返る。
これからは積極的に地域の人たちと繋がり、自分たちができる事をしよう―。桐山さんはまず、個人の有志として2013年に同協議会へ参加。地元の団体と顔の見える関係を作り、15年に仲間とMTB・プロジェクトを立ち上げた。
現在、メンバーは約30人。他の団体と協力しながら、マウンテンバイカーならではの活動を展開している。
(続く)
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