桐ケ谷さとると若手起業家が対談 「働きながら暮らす」ができるオンリー逗子へ
逗子市が「働きながら暮らせる街」になるにはどうしたら良いか。生の声を聞こうと、市内でベンチャー企業を経営している方や、近い将来、都内での仕事を辞めて起業する方、そして地元での就業に興味のある大学生といった多様な方たちと意見交換会を開きました。未来の逗子市を支える彼ら彼女らの熱い想いに感銘を受けつつ、行政が果たすべき役割を改めて考える機会となりました。
桐ケ谷 逗子市がこれからも魅力的な街であるためには、若い人に移り住んでもらわないといけない。しかし、例えば子育てに対する手当は東京や横浜、横須賀などと競争しても勝てない。ナンバーワンではなく、どうやってオンリーワンで戦っていくか。そこで「働きながら暮らせる街」への取り組みが大きな一歩になると考えている。
松原さん 今年の6月から逗子に住んでいます。ITエンジニアとして現在は都内の企業に勤めていますが、来年エンジニアとデザイナー5人の仲間で起業します。僕たちの仕事は場所を選ばないが、現状ではなぜか東京に集まりがち。ここを変えていきたい。
村上さん 私は都内のIT企業に勤めていましたが、通勤がつらくなり、今は逗子で個人や中小企業向けにパソコンやスマホのトラブルを解決する仕事をしています。
桐ケ谷 今は働き方改革が追い風になっている。都内への通勤から逗子で働いて暮らす生活へ転換したいと思っている人も多い。毎日通うのは大変だが、拠点を逗子に移せば、電車で都心へ1時間で行けるというのは俄然アピールポイントになる。
松原さん ベンチマークにしている街はありますか?また、どんな業種の企業誘致をイメージしていますか?
桐ケ谷 首都圏から50キロ離れた街はどんどん疲弊している。逗子と同じ人口6万人弱の街でお手本となるような地域はない。ただ、逗子にはブランドがある。そのおかげで子育て世代の認知度が高いので、最初はITや教育関係の企業誘致をトップセールスでやるべき。
中西さん 自分は事業の一環でコワーキングスペースを運営しているが、注意しなければならないのは「箱」を作って人が来るわけではないということ。自分の周りも逗子の自然が好きだったり、住んでいる人たちの雰囲気が好きで移住する人が多い。そこで課題となるのが商店街に代表される昔からある経済とのマッチング。自分たちのようなベンチャーと繋がれる仕組みができれば、大きなチャンスになる。
桐ケ谷 同感です。こうした取り組みは行政主導でやるのではなく、人と人が刺激しあって自然発生的に生まれるもの。しかし、行政はそれを理解してサポートすることが大事だと思う。「勝手にやってくれれば良い」ではなく、全体を理解したうえで「応援していますよ」という立ち位置にいることで、やりやすくなるはず。
遠山さん その通りで、「ここで開業したら50万円をあげますよ」というのが必要なのではないし、誰も欲しがらない。最近、近くの老舗店が閉じて悲しかった。例えば自分たちのような職業の人間が副業的にネット部門を立ち上げて運営し、売上の半分をもらうといった仕組みを作ることでお店が続けられたのではないか。中小企業の「継業」が大きな課題になる中、行政には、地元のIT企業などと商店をパブリックパワーで繋ぐという重要な役割がある。
桐ケ谷 住まいやオフィスに活用できるよう、一元化した情報を得られる「空き家バンク」の創設は必須。日本中で事業継承が課題となるなか、逗子がパイオニアになれる可能性は十分ある。少子高齢化や財政危機など逗子を取り巻く環境は厳しいですが、改めて「ピンチをチャンスに」という姿勢が大事だと実感しました。12月1日(土)には文化プラザなぎさホールで「市政勉強会」を開きます。ぜひご参加ください。
|
|
|
|
|
|