「世界一小さな科学館」として知られる理科ハウス(逗子市池子)で、今月12日に亡くなった東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊さんの業績や、理科ハウスとのゆかりの品を紹介する展示が行われている。
物質のもとである素粒子の一つ「ニュートリノ」の観測に世界で初めて成功し、2002年、ノーベル物理学賞を受賞した小柴さん。翌年にはその賞金などを基に、財団法人平成基礎科学財団を設立し、理事長に就任すると基礎科学の発展と次世代への科学の啓蒙活動に力を入れた。
理科ハウスは2014年、同財団が主催する「第10回小柴昌俊科学教育賞」に応募。書類審査と現地審査を通過し、最終選考では東京大学の「小柴ホール」でプレゼンテーションを行った。会場には小柴さんのほか、その弟子で2015年にノーベル物理学賞を受賞した東京大宇宙線研究所の梶田隆章所長ら錚々たる顔ぶれの前で館長の森裕美子さんが日頃行っている企画展や、子どもたちが主体的に科学に興味を持つよう工夫している点などを発表。見事、優秀賞を受賞した。審査員からは「これからも長く続けてください」「自分もリタイアしたら理科ハウスのような場所を作りたい」といった評価が寄せられたという。
「冒頭の小柴先生のあいさつがびっくりするほど短く、素敵だなと思ったのを覚えている。終始ニコニコされていたのが印象的だった」と振り返る森さん。授賞式後、学芸員の山浦安曇さんとともに、サインを求め小柴さんのもとへ行くと「やればできる」とメッセージをもらった。「ここのような私設科学館には、こうして認めてもらうことがとても大事。メッセージとともに、大きな励みになりました」と2人は話していた。現在、直筆メッセージのほか、記念メダルや写真を展示しているほか、小柴さんゆかりの書籍やニュートリノに関する雑誌を集めたコーナーも設け、その業績を紹介している。
開館は(土)(日)(月)の午後1時から5時まで。入館料大人300円、大学生100円、高校生以下無料。三密防止対策のため、中学生以上が対象で事前予約制。申し込みや問い合わせは【電話】046・871・6198へ。
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