逗子市は8月1日から期間限定(同18日(日)迄)で海の家の営業時間を午後9時まで1時間延長している。また海水浴場の魅力向上を目指し、原則禁止だった海の家でのイベントを条件付きで認め、検証を行う。一連の取り組みについて、夕涼み目的の客も増えていることから集客を期待する店がある一方、酒量が増えて風紀が乱れることを懸念する声も聞かれる。
集客減に対策
近年、海水浴場は猛暑により、日中の暑さを避け、夕涼みとしてのニーズが高まってきている。また、夏の行楽もプールやレジャー施設など多様となり海水浴場の来場者は落ち込んできている。
逗子海岸海水浴場の来場者数は1962年からの調査で、ピークは64年で213万人を記録したこともある。コロナ前近年のピークは2018年の36万4千人で、19年は33万4千人だった。コロナ明けの22年はさらに落ちこみ25万人。昨年はコロナが5類になったこともあり、回復が見込まれたが、結果は22万人と減少に終わった。
今回の営業時間の延長とイベント開催の試行的取り組みは「海水浴場の運営に課する検討会」でここ数年来、提案されてきた事案だった。来場者数が減少傾向にあるなか、ファミリービーチとしての魅力の向上を図る必要から、地域住民の生活環境や海水浴場の風紀を維持しながら、市が試行的に実施するに至った。実際にライブなどを見た人の意見やアンケートなどを検証し、検討会や市で「問題がない」と判断されれば、来年以降も継続される見通しだ。
イベントは7月中は5企画が行われた。「ワイルドボア」は「ビーチボーイズフラダンス」と題した弾き語り演奏会を実施。冨田渡社長は「有名なアーティストを呼ぶなど、いい企画であればその時の集客になるが、それが海水浴場全体の集客につながるかと言えば別の話」と分析する。8月のイベントは7回予定されている(詳細は市のウェブサイト確認)。
時間延長については、「夕方から来るお客さんが多く、1時間の延長はありがたい」と期待する声がある一方で、「しっかり広報しなければ、その日に来ている客が1時間長くいても、大した収益にはならない」と厳しい見方をする店や、「酒を飲む客が増えることで、風紀が乱れるのは困る」と懸念する声もある。
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