1914年竣工の旧東伏見宮(ひがしふしみのみや)葉山別邸(葉山町堀内/イエズス孝女会修道院旧館)を保存・利活用する継承プロジェクトが9月14日、スタートした。町民も参加する「一般社団法人La Casa Blanca Hayama」が事業を運営。10月には建物の改修工事が始まり、宿泊施設やイベントスペースとして、来年5月の開業を目指す。
同法人は9月14日に、改修前の最後の一般公開イベントを開催。そこで工事のプランを発表した。同館は木造2階建、建築面積280平方メートル。外壁は腐食が激しく、調査解体後、耐震工事を行い、今使われているスギ材から竣工当時と同じヒノキ材で張り替える。間取りの大きな変更はなく、イベント開催などに備えた新規トイレ、厨房機器の入れ替え、白塗装部分の修繕塗装、建具修繕、輻射熱冷暖房の設置を予定しているという。
改修後の利用については宿泊施設も備えた、「記念日」を過ごす場としての提供をしていきたいとしている。結婚式や金銀婚式といった特別な日や、音楽演奏会、誕生日会、上映会、クリスマス会といったイベントなどを想定する。
公開イベントでは同館での過ごし方をテーマにワークショップを開き、参加者から意見を募った。「高齢者向けのコンサート」「結婚記念日のお祝い」「同窓会」「父の日・母の日」「夕涼み会」「謝恩会」「子どもの宿泊体験」などの案が挙がり、同法人は今後の参考にするとしている。
同館は1952年にイエズス孝女会が継承し、維持管理してきた。コンサートなど文化的な催しに利用されてきたが、老朽化が激しく運営が困難となっていた。昨年、同法人の理事の1人が同会から解体の相談を受けたことを機に、有志が保存に向け動き出した。今年5月には観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり補助金」に採択され、7月に法人を設立した。
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