「2020年の東京五輪エンブレムに採用された市松模様は、藍を使った『ジャパン・ブルー』。4年後を見据えて、藤沢からは『湘南ブルー藍』を発信していきたい」
市内石川の塩沢功さん(68)は市内北部で、藍染めに使用されるタデ科の藍を栽培している。
生産に留まらず、商品化やブランド化を目指すが、農地法や資金など、その壁は厚い。思うように動けないジレンマもあり、個人をはじめ、企業や団体からの広い支援を求めている。
「藍」にロマン
元藤沢市職員の塩沢さんは定年退職後、念願だったという農業に挑戦した。耕作地を借り、家庭用の無農薬野菜を栽培していた。
藍との出合いは3年前。トラクターや耕耘機を所有していたこともあり、本鵠沼の藍染め作家が、藍を自家栽培するためのサポートをしたのがきっかけだった。
「藍と聞いて『これは面白いことができそう』と、直感的にひらめいた。県内で栽培している人もいないし、『湘南ブルー藍』としてブランドになるのではないかと」
14年5月、苗を分けてもらい、約600株を作付けした。「肌に直接触れるものだから、農薬や消毒薬を使わないのは当たり前」とその農法にもこだわった。生命力が強いとされる藍だが、半数を超える360株が枯れてしまう。「何も分からず試行錯誤。枯れなかった葉は、地中の水を求めて2段根を伸ばしていた。そこで初めて適度な湿度や水が必要だと知った」
昨年は、休耕田での栽培にも取り組んだが、今度は水が多すぎたり、雑草に負けて失敗した。しかし、うまくできた種や苗は、福祉事業所やギャラリー、一般家庭へ分配し、プランターでの植栽を広める。また、乾燥させた藍は、徳島県の藍師へ送っているという。
7月13日には宮原の「植木屋あいはら」を会場に、「湘南ブルー藍プロジェクト」の打ち合わせなどを実施。「蔵まえギャラリー」の佐野晴美代表の指導の下、参加者は生葉を使った藍染めを体験した。「意外に簡単。子どもも気軽にできるので、藤沢産の藍を使った企画やブランドは、無限の可能性がある」との声が上がっていた。
一般企業の参入を
農家ではない塩沢さんにとってネックとなるのは法律や資金、マンパワーの問題だ。しかし、4月に農地法が改正され、企業の農地賃借や農業参入が緩和された。「一緒に挑戦しませんか」と塩沢さん(【携帯電話】090・9390・1996)。
![]() 7月13日に「植木屋あいはら」で実施された体験会では、参加者や視察に訪れたJA職員が、生葉での藍染めに挑戦した
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![]() 「摘んで30分以内に染めるのがカギ。濾した後のヌルヌルの成分で染まる」。一般的な藍の染料では深い青色となるが、生葉では淡い水色に仕上がる
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