孫の誕生や成長、学校行事、誕生日会、家族旅行―。ともすれば、何気なく通り過ごしてしまう家族との日常を15年間、新聞にまとめてきた女性がいる。第1号から増刊号を含めると、その数は第194号。年内には200号を達成する見込みだ。
村岡東在住の椛島郁代さん(71)は、パソコンのワード機能を利用して2002年3月から家族新聞「かばしま新聞」を発行してきた。発行日は毎月15日と決め、結婚や就職で離れて暮らす、子どもたちや夫の家族に欠かさず送っている。
孫の誕生を機に
パソコンを使ったことが無かった椛島さんだが、名古屋に住む長男に子どもが生まれたのを機に、50代半ばで挑戦することに。「孫の写真をメールで送ってもらうために、帰省した息子にパソコンをセッティングしてもらった。でも、エラーになったり、フリーズしたり。使いこなせなくて何度も電話した」と笑う。
その後、通い始めたパソコン教室の教材として新聞づくりを学び、「かばしま新聞」第1号が誕生した。紙面には写真やイラストを交えながら、孫娘の初節句の記事や、息子夫婦が徹夜で並んで幼稚園入園を決めたエピソードなど、それぞれ祖母・母親目線の温かい文章が添えられている。「2号目は復習を兼ねて作って、それからは子どもたちにそれぞれの近況を伝えられるかなと思って」
当初は1〜2年のつもりだったが、次女から「私が結婚するまで続けてほしい」と頼まれ、その後、結婚・出産すると「子どもの成長を記録してほしい」とせがまれて、現在に至るという。4人だった孫は、8人にまで増え、その孫たちや佐賀県に住む90代の夫の両親もこれまでの新聞を大切にファイリングして、発行日を楽しみにしているという。「家族で集まると、みんなで見返したりする。孫がうれしそうに読んでいると、作り手冥利につきますね」と目を細める。
ネタのために夫と外出
孫たちが成長すると、写真が集まらず、書く話題が無いことも。「そんなときは、テレビ電話中に孫たちの写真を撮ったり、主人の庭の様子を載せたり、一緒に出掛けたり。カメラを持って孫たちの行事に押し掛けることも」と微笑む。
今ではパソコンも4代目になり、近年はスマートフォンやSNSの普及により、情報収集が簡単になって作成時間も短縮できるようになった。新聞もデータに変換してSNSで配信している。「生きてきた証のようなもの。楽しみに待っていてくれる99歳の義母や孫たちのためにも、可能な限り、続けていきたい」
|
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
鎌倉市交通安全対策協議会初詣に合わせて鎌倉駅周辺の交通規制を行います。鎌倉への初詣は電車・バスをご利用ください。 https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koutsuu_anzen/nennmatsu.html |
<PR>