全世代が集まれる空間へ
「おじさん、ただいま。宿題持ってきたよ」「公園で鬼ごっこしよう」と子どもたちが元気な声と共に、走ってやってくる――。
共働きや母子・父子家庭など家庭環境はさまざま。放課後、子どもが自由に過ごせる場所がないことを知り、子どもたちに居場所を提供しようと、現・NPO法人湘南まぜこぜ計画共同代表の原田建さんが中心となり、2016年4月、「寺子屋ハウス」(藤沢市朝日町15の2)を開設した。
1階は交流スペース、2階は学習とマンガや本が読める空間。毎週、大道小の児童らを中心に30人ほどが集まり、問題集を持参。説き終えるとボランティアスタッフが添削や解説を行っている。毎週のように遊びにくるロバートソン礼美さん(10)は「他の学校の友達と遊べるから来るのが楽しい」と笑顔。保護者からも「放課後、安心して子どもが過ごせる場所があるのはうれしい」と声があがっている。
避難所へ出張も
同ハウスでは16年、熊本地震が発生した際、子どもが元気に遊べる場を作ろうと、駄菓子販売セットを持ち、被災地へ向かった。菓子が購入できるだけでなく、販売員の体験も行った。参加した子どもたちからは「駄菓子屋さんごっこができて楽しかった」と多くの笑顔が溢れていたという。このほかにも、不定期に市内の小学校を訪問。保護者からの依頼で始まった出張版寺子屋ではスポーツ教室と協同で行い、学年問わず交流できる場を作った。
また、同法人では親の仕事や病気など、やむを得ない事情で孤食を強いられていることが社会問題となっていることを受け、「未来食堂」を行っている。この取り組みは定期的に開催するのではなく、市内の飲食店に協力を要請し、個別に同法人スタッフが店へ連れて行き、共に食事を取るというもの。食事代は法人が一人あたり500円支払い、必要があれば、自宅まで送るサービスも行っている。
原田さんは「子どもが子どもらしく自由に過ごせる場所を各地区に作っていきたい。いつか、全世代が集える場となれば」と思いを語った。
毎週月曜(祝日除く)で、午後1時30分から6時。利用無料。問い合わせは、同法人【電話】0466・28・1515へ。
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