サッカー女子ワールドカップ(W杯)フランス大会(6月7日開幕)に臨む日本代表「なでしこジャパン」に、市内在住の宮川麻都(あさと)さん(21)=日テレ・ベレーザ=が初選出された。チームは6月2日にスペインと親善試合を行い、11日にアルゼンチンとの初戦を迎える。
攻守に活躍を期待
前回2015年大会は決勝でアメリカに惜敗した日本。2大会ぶりの優勝へ、代表には4大会連続出場の阪口夢穂選手(日テレ・ベレーザ)や宇津木瑠美選手(シアトル・レイン)、3大会連続の熊谷紗希選手(オリンピック・リヨン)らと共に、宮川さんら初のW杯代表となる若い世代の17人が選ばれた。発表後、宮川さんは「W杯は小さいころから憧れている場所。今まで積み上げてきたものを発揮して自分らしいプレーをしたい」と取材で意気込みを語った。
なでしこリーグの強豪・ベレーザで1年半ほど前からレギュラーに定着。昨年は、ほぼ全試合に出場しリーグ4連覇、さらにリーグカップと皇后杯も制しシーズン3冠を達成したチームの原動力となった。
世代別の代表にも選ばれ続け、U17(14年)とU20(18年)のW杯では、主力メンバーとして初優勝を飾る快挙を成し遂げた。女子サッカーの将来を担う若手のひとりとして注目されてきた。
上達に貪欲に
宮川さんの最大の魅力は、複数のポジションを高いレベルでこなせるユーティリティー性といわれる。本職のサイドバック以外に、センターバック、ボランチ、サイドハーフなど攻守にわたって質の高いプレーができる希少な選手だ。
これは、中学生時代に怪我をしたチームメイトの代わりに急きょ他のポジションで試合に出場したことがきっかけ。以来、いつどんな状況にも対応できるようにと、練習中に違うポジションへの監督の指示に耳を傾け、自分ならどんなプレーができるか考え想像してきたという。
サッカーの基礎技術の高さはもちろんだが、他人のプレーを自分に吸収しようとする上達への貪欲さが、正確なポジショニングや戦術眼を磨くことにつながっている。
フル代表には、今年2月、アメリカで開催されたシービリーブスカップで初めて呼ばれた。ブラジル戦にスタメン出場し、チームは3対1で勝利。自身のデビュー戦を勝利で飾るが、試合後には「落ち着いてボールは運べたと思うが、ミスが多かった。全然なにも出来なかった」と悔しさをにじませた。
普段はおっとりしているが、「1対1では絶対に負けたくない」という根っからの負けず嫌い。「フル代表は上手いだけでは通用しない。頭を使って考えないと」。勝利よりも自身のプレーを反省し、常に上を目指している。
自覚と責任大舞台に臨む
横浜出身で、サッカー好きの父と兄の影響で、6歳からボールを蹴り始めた。小学生のころは地元の男子チームで練習し、中学生からベレーザの中高生育成チーム・メニーナで腕を磨いた。藤沢へは高校進学前に移り住み、藤沢総合高校に通いながら毎日練習に励んだ。U17W杯優勝の折には、高校で祝賀会が開かれ、全校生徒の前で結果を報告したことも。
選手として最大の舞台のW杯へ「選ばれてない人のためにも自覚と責任を持って頑張りたい」。2大会振りの優勝へ活躍を誓った。
日本は、11日にアルゼンチンと初戦、14日にスコットランド、20日にイングランドとグループリーグを戦い、上位2チームが決勝トーナメントへ進む。
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