藤沢清流高校3年の三浦柚恵(ゆえ)さん(17)がこのほど、日本女子プロ野球リーグの入団テストに合格した。来春からは女子プロ野球選手として新生活をスタートさせる。三浦さんは「やっとつかんだチャンス。プレーを通じて、これまでお世話になった人たちに恩返しできたら」と意気込んでいる。
女子野球界の新星が、夢への切符をつかみとった。9月下旬、わかさスタジアム京都(京都府右京区)。全国大会優勝校など名門校から集まった高校生や大学生28人のうち、最終8人の合格者の一人に選ばれた。
ポジションは投手。177cmの長身から繰り出される最速120キロの速球が武器で、若手選手の中では有望株と目される存在だ。
女子硬式野球部がある私学ではなくあえて地元公立校の同校に進学し、高校3年間、プロになることを目標に男子硬式野球部で部活に励んできた。「ここでしか経験できないことがたくさんあった。特に精神面は鍛えられたと思う」と振り返る。
ただ、挫折もあった。目標の一つに定めていた11月の女子野球アジア杯に出場する18歳以下日本代表の選考に挑戦するも不合格。「自分の3年間は何だったのか」とこれまで築き上げてきたものの根幹が揺らいだ。
それでも気持ちを切り替えて臨んだトライアウトでは自分が納得いく結果を出せた。「家族やチームメイト、皆喜んでくれた。少しは恩返しができたかな」とはにかむ。
女子プロ野球は2010年から公式戦が行われており、4球団がリーグ戦など年間計70試合を戦う。三浦さんが始めに所属するのは育成球団の「レイア」。当面は「プロ選手として通用すること」を目標に据える。
その先の夢もある。「(投手として日本女子選手で一番早い)140キロを投げられるようになること」。女子プロ野球は昨季、年間で過去最多の観客を動員したが、赤字経営が続くなど苦境が続く。球界を盛り上げるスター選手の存在は不可欠だ。
「ゆくゆくは自分が広告塔になって、女子野球を今よりももっと盛り上げたい。同じプロを目指す女子選手にも夢を与えられたら」
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