藤沢市民会館近くの石上交番が、来年3月末で廃止になることがこのほど明らかになった。県警が進める交番再編計画の一環で、藤沢署管内では12から11交番になる。選定基準は人口動態や施設の老朽化などで、廃止後は「アクティブ交番」と名付ける車両の導入が予定される。
県警は昨年3月に県下1交番あたりの増員や、老朽化などに伴う施設更新の必要性を加味した「県警交番等整備基本計画」を策定。2020年度から29年度までに現行の470ある交番を400に統合するとしている。石上交番は先月県警が廃止予定第一弾として公表した12交番の1つに選定された。
石上交番は1974年3月に設置。藤沢駅南口地域も管轄していたが周辺の開発が進み、00年2月に藤沢駅南口交番が開設。事件事故の取扱い件数が大きく減少し、09年7月からは日勤制交番として運用され、夜間は藤沢駅南口交番やパトカーの勤務員が地域の事案を取り扱っていた。
廃止後の跡地や建物は県に引き継がれる予定。
アクティブ交番を導入
統合後の治安対策は、パトカーなどによるパトロール強化が主。県警は廃止される交番につき1台の想定で「アクティブ交番」と名付けた車両型の移動式交番の導入を発表している。
全国初となるこの試みは、臨機応変に活動できる新たな交番のスタイルとして、県警が独自に打ち出した策。商業施設や駅前など多くの人が集まる地点の巡回、駐留や、 事件・事故多発場所への先行配置、通学路などでの子どもの見守り活動などに従事する。
統廃合計画の背景には交番の人員不足がある。1交番あたり3交代制、9人以上の原則に対し、現在の勤務員は平均約7・6人に留まる。職員出動時に「空き交番」になってしまう現場の解消を図る狙いがある。
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