障害のある子の「親なきあと」相談室湘南支部の代表 秋元 美里さん 遠藤在住 43歳
子どもの未来のために
○…全国50カ所以上にある「障害のある子の『親なきあと』相談室」。漠然とした不安や心配ごとを話せる場所で、生活や金銭などの悩みを聞き、適切な窓口へ繋ぐ。「行政は窓口が分かれているため、明確な悩みでないと相談しにくい。その前段階として利用して」と呼び掛ける。
○…10歳と7歳、2児の母。下の娘が生まれてほどなく、医師からダウン症と告げられた。愛しい我が子がなぜ―。はじめは宣告が受け入れられず、平静を装いながらも出産後しばらくは思い悩んだ。しかし、ある時友人宅に娘を連れていくとこんな反応が返ってきた。「わー、可愛い」。「事前に打ち明けていたこともあるかもしれないけど、心のモヤモヤが晴れていって」。抱え込んでいても始まらない。以来、親の会や福祉の療育サービスなどに通い、自然と受け入れられるようになっていった。
○…5年前に名古屋から藤沢へ転居。行政書士という仕事柄、自宅近くのコワーキングスペース兼学習塾の「シードハウス」を利用するように。「先輩ママたちに勉強させてもらうことがたくさん。人脈も広がった」。最近は教育分野にも興味が湧き、塾講師として勉強を教えることも。「子どもたちの未来のために自分もできることはないか、考えていきたい」
○…障害児を持つ親にとって、自分が亡きあとの不安は常に付きまとう課題だ。「大切なのは外とのつながりを持つこと」。誰にも相談しなければ孤立し、いずれ八方塞がりになりかねない。福祉サービスを利用したり、地域の民生委員との交流、何でもいい。「不安も打ち明けてみると、意外となんでもなかったり。話すだけでも気持ちは楽になるから」。母のような慈愛に満ちた表情でそう話した。
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