昭和後期から平成初頭にかけ県内有数の繁華街として華やいだ藤沢駅周辺。かつて”湘南高校OBによるOBのためのサロン”として独自の文化を形成した「湘南クラブ」という会員制のバーが存在した。店舗はすでに無く、名前を受け継いだ店も6月末に閉店したが、往年の記憶は今なお卒業生の中に生き続けている。
藤沢駅南口、ファミリー通り一角にある雑居ビル5階。何の変哲もない扉を開くと、小粋なジャズの生演奏が溢れ出す。レンガ調のバーカウンターにはウイスキーの高級ボトルがずらり。革張りのソファでくつろぐ人々の表情は皆穏やかで優雅だ。
湘南クラブは1984年頃に、湘南高校の卒業生約30人が作ったサロン。石原慎太郎氏も名を連ねるグループが「クラブハウス」として1人100万円、計3000万円の予算で作られた。
6代目ママとして約10年間クラブを切り盛りした木村真由美さん(53)は「雇われる際、壁に飾ってある絵など、調度品に手を加えないことなどのルールを伝えられた」と振り返る。
店は”一見さんお断り”の紹介制。同校卒業生が半数以上で、店内入ってすぐの壁には創立メンバー以来の会員の名前が書かれた「木札」が掛けられていたという。
店内には、アップライトピアノやドラムセットも置かれ、ジャズの生演奏が楽しめた。市内在住の医師で元会員の松井潔さん(67)は、客として訪れながら、同窓生らと演奏も担当していた。
毎晩の常連、年に1回同窓会後に必ず顔を出すファン、家族ぐるみの来店など楽しみ方はさまざま。会員の中には大手企業の代表者も少なくなかったが「店では高校時代に戻ってリラックスしていたんじゃないかな」と松井さん。校歌をリクエストされたこともあったという。
30年の歴史に幕
店は老朽化に伴い、6年前に閉店。「高校OBクラブによる店舗の運営は全国的にも珍しい。せっかくの灯を消したくない」と、木村さんは「湘南クラブ」の名前を受け継ぎ、南口のビルの一室で別のクラブを運営したが、6月末にコロナの影響で閉店した。
創設メンバーの多くは市外へ越し、故人となった人も少なくない。松井さんは「終わらない青春のような鮮やかな思い出」と振り返り、「近くに寄ると、つい見上げてしまう。目を閉じるとよみがえるようなのに」と寂しげに微笑んだ。
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