善行団地の一角に、独居老人などの地域問題の解決に一役買っているとして、注目を集めている食堂がある。名前は「グリーンキッチン」。食事の提供だけでなく、食堂自体が地域コミュニティーの場として機能している、団地内の憩いの場所だ。
運営するのは、市内で高齢者支援施設などを営む喜寿福祉会。地域貢献の一環として、同団地内で高齢者支援サービスを営んでいたことをきっかけに2年前に開店した。
ランチ限定。栄養士が監修し、季節ごとの地元食材を使った日替わりメニューが人気という。
同団地は約2300戸を要する大規模公団として1962年に建設。当時の移住者らは高齢化し、住民の約6割は65歳以上となり、単身になった「独居老人」も多い。地元民生委員によると、部屋にこもりがちで1日1食になってしまっている人もいた。
開店後の反響は予想以上。8年ぶりという温かい料理に涙しながら食事した90代の男性もいたという。調理室を担当する池田ひとみさんは「来れば必ず知り合いに会えることも喜んでいただけた」と話す。地域の新しい交流モデルとして、ほかの団地などから見学を希望する声も寄せられるようになった。
コロナ禍で一時休業したが、「寂しい」などの声が相次ぎ、弁当販売に切り替えて再開。「元気でしたか」「孫がこのお弁当が好きだって喜んでいて。今度また買いに来るわ」。感染防止対策のフィルムとマスク越しにはなったが、復活した心温まる食事と交流に、利用者からは喜びの声が上がっている。
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