銭湯で体を温めた後は、ヨーロッパの景色を楽しんで――。
小田急六会日大前駅近くにある「栄湯湘南館」の一角で、先月から展示されている風景画が評判を呼んでいる。高倉在住の福島光夫さん(94)が描きためた作品を利用客に楽しんでもらおうと初めて企画。同館では「観覧だけでも気軽に足を運んで」と話している。
ゴッホが愛した南仏・アルル、セザンヌが生涯描き続けたというサント・ビクトワール山。同館ロビーには欧州芸術家ゆかりの土地や山村の風景などを描いた油彩や水彩画15点が並ぶ。モチーフはいずれも福島さんが30年ほど前、一人旅で訪れた際の景色だ。
教員だった20代の時、日本で初めて公開されたゴッホの作品展で感動し、本格的に絵筆を取るようになったという福島さん。今年5月には長後で個展を予定していたがコロナ禍で見通しが立たずにいた。それを知った同館店主で市議の北橋節男さん(61)が「それならばうちで展示してはどうか」と打診。ヨーロッパ絵画紀行展と銘打ち、企画展が実現した。
「いい雰囲気になったとお客さんも喜んでいる。今後も続けたい」と北橋さん。福島さんは「どの景色も思い出深い。時代を超えて愛される芸術の一端に触れてもらえたら」と話した。問い合わせは同館【電話】0466・81・2967へ。
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