再起を果たすために、マウンドに帰ってきた。東大時代活躍した神宮球場で行われた3月のオープン戦。3回2死満塁、フルカウントからチェンジアップで相手を空振り三振に仕留めて見せた。調子は上々だ。
東大からプロに進んだのは史上6人目。春季六大学野球リーグでは早大戦で毎回の13奪三振で脚光を浴び、日米大学野球日本代表にも選ばれた。
だが、決して順風満帆の道のりではない。2017年、日本ハムにドラフト7巡目指名され入団するも、1軍登板はわずか1度。昨年末、戦力外通告を受けた。育成選手契約の打診もあったが固辞し、背水の陣でトライアウトに臨み昨年末ヤクルトと正式契約した。
「簡単に言えば負けず嫌い」。それが自己評価。己で目標を立て、必要な努力を愚直に積み上げる。だから、負けると悔しくてたまらない。
湘南高校時代の最高成績は春季大会県ベスト8。準々決勝では強豪私学、東海大相模を相手に善戦した達成感はあった。でも、やっぱり悔しかった。
座右の銘は「もっとも困難な道に挑戦せよ」。代々湘南生に息づく、「Always do what you are afraid to do.」の精神だ。思えばその言葉を体現してきた人生だった。「自分の可能性に挑戦するためにこの道を選んだ。できるところまでやりきりたい」。まだ挑戦の途上、歩みを止めるつもりは毛頭ない。
「目の前にある一つ一つに全力で。その積み重ねが未来を切り開く」。後輩へのエールが、自らの姿に重なった。
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