鵠沼神明在住の西岡奈緒子さん(40)がこのほど、障害のある人と支える人のすぐれた体験記録に贈られる「NHK障害福祉賞」に入選した。筋ジストロフィーという進行性の難病で車いすでの生活を送る西岡さんは、自身の経験をコロナ禍と重ね合わせ、先の見えない不安への共感、未来への希望など思いをつづった。
55回目を迎える同賞は今回484編の応募の中から11編が入選した。
西岡さんは3歳の時に、徐々に全身の筋力が衰える「筋ジストロフィー」と診断された。始めは病気の詳細は知らされず、思春期には孤独や将来への不安を抱えながら過ごしたという。「これまでの経験が、先が見えない不安を感じている人に少しは役に立つかと思って」と西岡さん。読者に元気を届けようと執筆を始めた。
エッセーでは病気と向き合い、就職活動や仕事、仲間との出会いを通じて自身の世界が広がっていく様子が描かれている。就職活動では面接で周囲に自身の病気を正しく理解してもらうために奮闘。仕事では病の進行に合わせて、自宅で仕事ができるように時代に先駆けてリモートワークの環境を整えるなど、その時々に生まれる不安や課題を一つ一つ乗り越え解決していく。作品のタイトルは未来への希望を込め「その先へ」とした。
湘南ロボケアセンター=辻堂神台=に通いロボットスーツを装着した歩行訓練を行うなどテクノロジーを社会共生のツールとして生活に取り入れっていった西岡さん。「できなかったことができるという快感は何とも言えない。体験したことで未来にあるのは大変なことばかりとは限らないのかもしれないと思えるようになった」
ひとりじゃない
これまで10年以上に渡りエッセーを書き続けている西岡さん。「世に自分の作品を出すことで繋がるご縁もあった」と振り返る。同じ病を抱える女性との出会いもその一つ。今作でも「寄り添ってくれる誰かがいるはず。『あなたは一人ではありません』と自分に、そして誰かに声をかけたい」と読者の背中をそっと押す。西岡さんは「読んでくれる人が少しでも前向きな気持ちになってくれれば」と話した。
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