江島神社で9日、江戸時代の鍼医で、近代鍼灸の祖として知られる杉山和一検校像の除幕式が行われた。昨年和一の生誕410年を迎えたことを受け、藤沢市鍼灸・マッサージ師会(倉塚充夫会長)と杉山検校遺徳顕彰会(吉田勉理事長)が中心になり、墓所がある江の島に設置した。コロナ禍で延期されていたが、毎年5月に開催している墓前祭「杉山祭」と合わせ、関係者を招いてお披露目された。
杉山和一は幼少期に流行病で失明し、鍼医に弟子入りするも上達せず、江の島の岩屋で断食祈願を行った。満願の日に石につまづき、手に刺さった松の葉をきっかけに、現代の鍼師が多く用いる「管鍼法」を思いついたという。石は同神社に残り「福石」の名でパワースポットになっている。
一方、現存する資料や史跡が少なく、藤沢と和一の縁を知る地元民が減り、全国からの参拝者から「江の島で検校の像にお参りしたい」といった声も寄せられていた。
設置するに至り、全国から約900万円の寄付が集まった。鍼と鍼管を持った座像の姿で、高さ75cm、幅85cm、奥行63cmほど。目の見えない人でも触って詣でることができるような造りになっており、台座を含めると165cmほどの高さになっている。台座内に祭壇を納め、福石の隣へ設置された。同会は「和一の偉業と藤沢との縁を後世に伝え、多くの人に広まってほしい」と話した。
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