新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が11日から5月末まで延長されたことを受け、県は12日から藤沢市や横須賀市など8市町を新たに対象区域に追加した。感染が拡大傾向にあるためで、飲食店などには午後8時までの時短営業や酒類の終日提供停止などを要請。県民にも不要不急の外出自粛を呼び掛ける。期間は5月31日まで。
時短営業や酒提供停止要請
新たに追加になったのは、藤沢、横須賀、茅ヶ崎、伊勢原、逗子、三浦の6市と寒川、葉山の2町。すでに適用されている横浜市や川崎市を含め17市町になった。
対象区域では飲食店などに対し、午前5時から午後8時までの時短営業に加え、酒類の終日提供停止やカラオケ設備の利用自粛を要請。利用者による酒類の店内持ち込みもしないよう求める。
飲食店が要請に応じた場合、事業者の規模によって1日あたり最大20万円の協力金を支給する。一方、要請に応じない場合は特措法に基づく命令が可能で、応じなければ過料が科される。
また、面積が千平方メートルを超える大型商業施設やスポーツクラブ、パチンコ店などに対しても午後8時までの時短営業を要請。スーパーやコンビニなど生活必需品を販売する店舗は対象外となる。
市は、重点措置の対象区域に指定されたことを受け、市内公共施設についても市民会館や運動施設の利用時間を午後7〜8時までに前倒すほか、市民センターや公民館の貸室なども午後7時以降は休止する。
テラスモール湘南=辻堂神台=や湘南モールフィル=辻堂新町=など大型商業施設も期間中、一部店舗を除いて午後8時までの時短営業を実施するとしている。
「死ねと言われるのと同じ」飲食店主ら困惑隠せず
県の「まん延防止等重点措置」の対象拡大に伴い、アルコール類の提供停止要請が降りかかった飲食店主らからは悲嘆や困惑の声が相次いだ。
鵠沼橘でバーを営む男性(44)は「酒場にとって酒を出すなというのは『死ね』と言われているようなもの」と肩を落とす。協力金の支給には有難みを感じる一方、「(要請は)一律で雑な対応に感じる」。ノンアルコールカクテルなどの提供も検討したが、5月末までの休業を決めた。
藤沢駅近くの居酒屋店主(33)は「こうも長いとさすがにしんどい」と苦悩を打ち明ける。市内同業者の情報も耳に入るが、「何軒かは『もう酒を出してしまおう』という話も聞こえてくる」。
別の大衆居酒屋経営者(48)は、「5月末まで酒の提供をやめても劇的に(感染の)状況が改善されるとは到底思えない」と県の対応を疑問視する。ランチ営業に切り替えるというが、アルコール提供が前提の営業形態のため、打撃は深刻だ。「要請もまた延びるのではないか」。不安は尽きない。
北口で創作料理店を営む男性(40)はポストコロナを見据え言葉を絞りだした。「お酒がここまで悪なのか。この状況が続けば、例えコロナが落ち着いても外でお酒を楽しむ機会そのものがなくなってしまわないか」
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