国道134号線沿いにある老舗フランス料理店「三笠会館鵠沼店」(鵠沼海岸)が9月中旬で48年の歴史に幕を閉じる。地産食材をふんだんに使った「湘南フレンチ」の先駆けで、記念日や祝いの席など近隣住民にも長年親しまれた。同店関係者は「ここまで続けてこられたのもお客様のおかげ。最後の思い出に足を運んでいただけたら」と話している。
同店は1973年に開店。当時としては珍しい郊外型レストランで、地場野菜や三崎港などで揚がった新鮮な魚介を使った本格的なコース料理は「湘南フレンチ」と呼ばれるようになった。
建物は英国チューダー様式を模し、白と茶色を基調とした漆喰風の壁に梁が突き出した造りが特徴。2012年には市の景観形成に寄与したとして「ふじさわ景観まちづくり賞」にも選ばれた。
(株)三笠会館=本社・東京都=によると、開店から半世紀が経過し、建物や設備が老朽化。繰り返し修繕が必要になっていたところにコロナ禍が重なったことなどが閉店の要因になったという。
地域へ感謝
「地域の方々には感謝しかない」。店の歴史を振り返り、関係者が声を揃える。
毎月恒例の「グルメの会」に毎回のように足を運んでくれた人や、孫の代まで3代続けて通い続けてくれた人もいる。市の景観賞に推してくれたのも、地元の強い後押しがあった。東日本大震災で自粛ムードが広がったとき、グループ内でひと際立ち直りが早かったのも、地域の応援があってこそだ。
「スタッフの愛着も強く(閉店は)非常に残念だが、最後まで感謝の気持ちを込めてお客様をお迎えしたい」と支配人の町澤恒平さん(45)。料理長の金崎信夫さん(52)は入社後まもなくから10年間同店に勤務した。「20代を捧げてきた思い入れのある場所で、お客様からの反応は励みだった。最後まで料理を楽しんでいただけたら」と話した。
現在「まん延防止等重点措置」の発令に伴い、時間短縮営業を実施。詳細は同店ホームページまたは【電話】0466・34・5851へ。
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