東京五輪の聖火リレーが県内で始まった先月28日、辻堂神台公園で代替式典が行われた。新型コロナウイルスの影響で県内の全区間で公道走行が中止されたことに伴い、走者が順番に聖火をつなぐ「トーチキス」を実施。藤沢ゆかりのランナーを含めた90人がステージに上がり、五輪への思いを表現した。
この日は箱根町、伊勢原市、小田原市、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市を走る予定だった走者が参加。藤沢の走行区間では元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗さん(39)を皮切りに、20人がステージに上がった。
参加者らは聖火をつなぐと高々とトーチを掲げ、満面の笑みで喜びを表現。手を広げたり、トーチを重ねたりと思い思いのポーズをとった。会場の一般観覧はなく、家族らが声援の替わりに大きな拍手を送った。
1964年の前回東京五輪で当時大学1年生だった大縫光宏さん(76)は会場受付担当として大会に携わり、心を揺さぶられた。19年3月まで4年間、市体育協会会長を務めるなど藤沢のスポーツ振興に寄与。「スポーツ人生の集大成」として今回臨んだ。
式典を振り返り、「コロナ禍で手放しで喜べないが、2度も五輪に関わることができ最高に幸せだった」と話した。
宮下空唯さん(20)は5歳から地域固有種の「藤沢メダカ」の保存活動を始め、現在もボランティアとして活動する。式典を終え、「(公道走行中止で)自分の街を多くの人に見てもらいたいという願いは叶わなかったが、聖火をつなげることができてうれしかった」とはにかんだ。
辻堂地区の活性化に長年取り組んできた永井洋一さん(64)。辻堂駅開設100年周年記念事業では旗振り役を務め、署名活動を通じて駅発車ベルが地元ゆかりの「浜辺の歌」になるきっかけを作った。「一生の記念。出られて良かった」と喜びをかみしめた。
最終走者はふじさわ観光親善大使のつるの剛士さん(46)が務め、聖火皿に火を灯すと、ひと際大きな拍手が送られた。
報道陣の取材に「火に歴史の重みを感じた」と振り返り、大会に向けては「セーリング競技が行われる藤沢の魅力を発信する機会にもなる。この素晴らしい環境が世界中に伝われば」と話した。
29日は橋本公園(相模原市)、30日は横浜赤レンガ倉庫(横浜市)でもセレモニーが行われた。
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