東京五輪新競技のサーフィン(千葉・釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ)で、鵠沼海岸在住の都筑有夢路さん(20)が27日、女子の3位決定戦を制し、銅メダルを獲得した。台風の影響による悪条件をものともせず、世界の強豪を相手に白星をあげ、新たな歴史に名を刻んだ。
試合終了を知らせるホーンが鳴り響くと、両腕を突き上げて喜びを爆発させた。準決勝で敗れ、3位決定戦に出場。米国トップ選手とのメダルをかけた大一番は荒れ狂う海での対戦となったが、序盤の数少ないチャンスをものにし、リードを保って逃げ切った。
試合後、これまでサポートしてくれた家族への感謝が口をついた。会場近くで見守った家族のもとに連絡が入った際も何度も「ありがとう」と繰り返し、涙を浮かべていたという。父・久美雄さん(46)は「彼女が積み重ねてきた努力の結果。本当によかった」と娘の快挙を労う。
大会前には藤沢市役所を訪れ、抱負を語っていた都筑さん。「自分が活躍することでサーフィンという競技をより多くの人に知ってもらいたい」とも話していた。目標にしていた金には届かなかった。だが、今大会で見せた勇姿は多くの人の心に刻まれた。そのメダルは値千金と言うに相応しい。
現行制度では日本女子唯一、世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に参戦。3年後にはパリ五輪も控える。「もっと強くなれるようがんばります」。満面の笑みとともに次なる舞台に照準を合わせた。
地元・鵠沼も歓喜
「鵠沼の星」の快挙に地元・藤沢も歓喜に沸いた。鵠沼海岸商店街では街頭や店先に都筑さんのポスターを掲示し、商店街をあげて応援。都筑さんと同じ湘洋中学校出身で、精肉店を営む鈴木義明さんは「同じ地元として誇らしい」、同商店街振興組合の齋藤光久理事長は「明るい話題が少ない中、本当にうれしいことだ」と喜んだ。
市サーフィン協会会長で市議会議長の佐賀和樹さんは「圧巻の演技。パーフェクトだった」と称え、「難しい波にも貪欲に攻める姿勢は鵠沼で練習してきた賜物なのかな」と話した。
この日、藤沢市役所では都筑さんの快挙を祝う懸垂幕が急きょ取り付けられ、鈴木恒夫市長は「湘南海岸でサーフィンをやっている方々の励みになると共に、市民を元気づけてくれた」とのコメントを発表した。
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