展示中の作品の前で復刻版を持つ同館職員
藤沢市藤澤浮世絵館が開館５周年記念のオリジナルグッズとして、同館に所蔵されている葛飾北斎の浮世絵『冨嶽三十六景 相州江の嶌』の復刻版を制作した。一枚６０００円、限定50枚で販売している。
復刻版は８版多色刷り。線画を樹脂版で、色を木版画で、手摺り。制作は市内に工房を構える「リン版画工房」が手掛けた。
『冨嶽三十六景 相州江の嶌』は江戸の天保年間、１８３１年から34年にかけ作られた浮世絵。富士山と相模湾、江の島と砂州の道を描く。中腹には管鍼術の祖として名を馳せた杉山検校和一が寄進した五重塔、島の入口付近には現在同様店が立ち並び、当時の江の島詣での賑わいが伺える。
東京五輪セーリング競技会場となっていることから、江の島を描いた作品の中でも特に著名な同作が選ばれた。作品が描かれるより前から島内に店を構える和菓子店、紀の国屋本店の包装紙にも使われている。
元となった作品は現在同館の企画展で展示中。「複製浮世絵の販売は当館初。地元を描いた名作として、コレクターに限らず、地域を愛する人誰にでも興味を持っていただければ」と話した。問い合せは【電話】０４６６・３３・０１１１へ。
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